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”光という生き物”を受け入れる

投稿日:2019/9/9

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写真を撮る時にまず考えなければならないこと、
それは何だと思いますか?

カメラはレンズ内に映るものに当たる光を、
光線として集めて形にしてくれる機械です。

それは時に、私たちの眼(肉眼)よりも
はるかに多くの情報を集めてくれます。

つまり、光を把握していないとシャッターを押しても
自分が思い描く写真を撮ることは出来ないのです。

例えば、被写体が光に負けて溶けてしまったり、
顔が暗くなってしまいどんな表情をしているのか
分からなくなってしまうという事が起こるのです。

 

【光を把握する】
それはどういう事なのでしょうか。

私は以下の情報を使って光を把握したいと考えます。

◉位置を把握する
(光の入ってくる位置、落ちている位置、光源との距離、順光、サイド光、逆光等)

◉量を把握する
(雲ひとつなく真っ直ぐな強い太陽光なのか、雲に陰って落ちている光なのか、等)

◉種類を把握する
(自然光、白熱灯、蛍光灯、LED等)

 



photo by Ara Masaaki
coordi by Momoka Matsumoto
write by Hikari Kouno(Piii_chan)

 

上記の写真は光をいろんな角度から見つめて
”光という生き物を受け入れて”
撮られた写真であると考えます。

その理由の1つ1つを紐解いて行きたいと思います。

 

・位置

被写体となる彼の背中側にある大きな窓から
燦々と光が降り注いでいます。

背中に当たる光は逆光。
(赤い矢印部分)

顔はこちらに向ける事で
左耳から頬にかけては光が当たっています。

これは半逆光です。
(黄色い矢印部分)

 

・量

壁や木などの被写体を遮るものは何もありません。

あるのは大きなガラスの窓だけです。

7月末日に撮影されたこの写真。

夏の大きな太陽から私達の元に届く光は、
強く明るい光です。

敢えてつばのあるハットをかぶる事で、
顔に当たる光の量を調節しています。

また、体をひねって顔の左耳から頬にかけて
光が強く当たるようにする事で、
明暗差をだし、立体感を演出しています。

ハットに添えた手も光の当たっていない右手を使っています。

こうする事で顔に当たる光を
遮ってしまわないように計算されているのです。

 

・種類

自然光。

①窓から被写体に当たる光。

②被写体より手前の本や壁(副主体)に当たる光。

③ハットを抑える右手や足元に当たる光。

同じ自然光ですが、位置が違うことにより
量も代わります。

光は常に、違う種類の光へと形を変えていくのです。

 

 

前ボケ

天井から垂れ、被写体のいる場所の目の前にある
ベットへと落ちる白い天蓋のレースを
前ボケとして使用しています。

光がほとんど当たっていないため、
レース本来の白い色はあまり見えていません。

しかし、そのお陰で、手前の壁や明るい色み(オレンジや緑)の
本の主張が強くなりすぎない様に、
しっかりと隠す事ができています。

 

 

トリミング

肘、膝、指先等のしっかり見えていなければならない部分は
絶妙な位置で収められています。

また、手前の壁は縦に三分割した時に
1/3の一番右側に来るように計算されています。

この配分によって被写体ありきの副主体として、
違和感なく存在させる事が出来ているのです。

 

コーディネイト

・黒いハット

ハットは被写体に当たる光が
強くなりすぎないよう被っています。

また、手をハットに持っていく事によって
ポージングのきっかけとする事ができています。

 

・ブラウンのストール

ハットと着物の色のコントラストを調和するように、
ブラウンのストールが首に巻かれています。

このストールがある事で、被写体の着ている明るい着物と、
真っ黒なハットとの色味がぶつかる事なく
存在する事ができています。

 

・積み上がった数冊の本

光の当たっていない壁と強い光の当たる被写体。

これは光の量という点から見ると、
対照的なものとなっています。

これもブラウンのストールと同じで
対照的な二つを調和する要素の一つとして間に置かれています。

また、被写体の目線が本へと行き、
左手が本へと伸びている事により、
きっと彼は本を取ろうとしているんだな。と
見る者に物語を感じ取ってもらう事が出来る様になっています。


 

【光は生き物である。】

そのことを理解して、
的確な方法で活かす事ができるように…

日々心で対話して、
私たちは光と付き合っていかなければならないのです。

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