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二人だけの記憶の世界

投稿日:2019/3/10

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Photo by HIRO

Coordinated by Takumi Yoshizawa

 

兄弟写真において大切なことはなんでしょうか。

光や構図の整理などあると思いますが、

一番重要だと思うのが「その子達だけの世界を写真の中に作り上げること」だと思います。

ソロでの撮影でももちろん写真の中に世界を作ることは大切だと思いますが、

特に兄弟写真ではそれが重要なことになるはずです。

 

幼い頃、兄弟で無邪気に遊んだ思い出は、今でも心の中にとても大切な記憶として残っていることでしょう。

そしてそれは、その人にとって昔の気持ちを思い出す引き金になっていたり、

今も続く兄弟の絆をつなぐものになっていたりするかもしれません。

それだけ兄弟だけで遊んだ思い出は、今の私たちを作り上げる重要な要素になっています。

 

もちろん笑顔でしっかりとこちらを向いている写真も大切ですし、

それも今のその子たちを残すということでは必要なものでしょう。

でもそれと共に、私たちは写真を通してプラスαを届けることが、

私たちがただカメラを握ってシャッターを切るだけの存在ではなく、

フォトグラファーという表現者として、

このライフスタジオで写真を撮る存在理由になるのではないでしょうか。

 

そのプラスαをどうしたら写真の中に込めることができるか。

冒頭で触れたように特に兄弟写真においては

「その子達だけの世界を写真の中に作り上げること」が、

フォトグラファーとしてプラスαを届けられる大切な要素になると思います。

 

今回の写真の兄弟は、それぞれ七五三という節目を迎えた7歳と5歳の子達でした。

着物での撮影も終え、残すはフォーマルでの兄弟写真のみ。

兄弟撮影に入っても仲のいい兄弟で、可愛くくっついた笑顔の写真は撮れていました。

それだけでももちろん可愛い原本にはなりますが、

このシチュエーションでこの子達にプラスαのどんなことを残せるのかを考えました。

 

まずは光。

撮影時間は最終枠の外は薄暗くなり自然光はあまり入らなくなる時間帯。

その状況を活かし、ライトでの表現を選びます。

この環境で表現できるものを考え、今回の場合は二人だけの思い出の中のような世界観を作り出そうと決めました。

そのために光はライトに向かって逆光になる場所で撮影を始めました。

全体的には逆光の光の幻想的な印象ですが、

被写体の頬には光で輪郭が縁取られるように光が回り込んでいるので、被写体の立体感にもつながっています。

二人だけの世界を作るために、今回はストーリーを生み出せるような、

それぞれの動きができるような小物を持ってもらいました。

二人の距離感はあえて少し離しています。

ぴったりくっついているのも仲良しな感じで可愛らしいですが、

7歳と5歳という少し大人びた面も見え隠れする年頃の、

二人の距離感も考えながら自然な関係性が表れたらいいなと思いました。

手前には光に溶け込みやすい明るい前ボケを入れて、

二人の間に一つ壁を作って物理的にも撮影者と二人を切り離しています。

最後に「そのカメラは何が写ってるんだろうね?虫眼鏡で見たらよく見えるかな?」と、

ストーリーを始めるために被写体を自然に動かす一言をかけて、

二人が自然と興味を示して前のめりな動きが出たところでシャッターを切りました。

音のない写真から、二人の会話の声が聞こえてきそうなイメージで。

 

 

人生の写真館と自ら名乗る私たちは、撮影をさせていただく子供達やご家族に何を残すことができるでしょうか。

きっと今のこの子達が今この写真を見ても何も感じないかもしれません。

でもいつか大きくなった時に、この写真を発見したとき、

「小さい頃こんな風に遊んでたな。何を話してたんだろうね?」

なんて記憶を思い返しながら何かを感じてくれたらと嬉しいなと思います。

 

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美しさを表現し、思い出を記録する、楽しい遊びの空間

人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
人を、人生を写しています。

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