Staff Blog
千葉フォレスト店
2026年lifeschool
投稿日:2026/7/28
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〇映画名・感想日
リトルフォレスト~夏秋~ 2026/05/26
〇プロット
この映画は、主人公いち子の止まらない毎日の中で流れるように生きているが、時折立ち止まって自分なりに正解を探して日々模索している人生の一部を切り取ったお話しだと感じた。
〇主題
その中でいち子が都会での仕事を辞めて、現在は山奥にある生まれ故郷である「小森」での自給自足生活と、過去と未来に思いを馳せている様子を地元の人たちとの関わりや、料理を通して思う気持ち、いち子を置いて出て行った母への感情などに触れて物語が進んでいく、いち子のヒューマンストーリーであった。
とくに印象的だったシーンを二点あげるとは、トマトを育てていく中でどうしたらより良い作物ができるのかという“今”の描写と、ビニールハウスを建てたくないという“未来”の気持ちの対比である。映画の始まりはこの田舎生活を楽しんでいるような描写に感じられたが、「この生活をずっと続けるつもりはない」という若者の心の葛藤のようなものや、先の見えない不安定な気持ちに大きく触れた場面だと感じた。
もう一点は母への気持ちである。学生時代は母へのおおざっぱさに呆れていて、現在も良い思い出ではないように描かれつつも、どこか拠り所にしているような語り口調が印象的だった。
〇演出要素
こういった心情と景色の見せ方もリンクしているように感じた。映画の始まりは梅雨。このじっとりとした始まりも伏線だったと全て見てから感じた。わくわくとした田舎生活であれば、新緑の青々とした春や、生き物が生き生きとする夏から描くだろうと思うが、じっとりと湿った空気感を演出したスタート。これが、いち子の不安定な気持ちの表れだったのではないだろうかと考えた。
例えば梅雨独特な湿っぽさは、画面全体がグリーンのフィルターがかかったような色味と少し暗めの露出が演出していたことで、この地域の空気感を感じさせる。また、生活音である料理の音・鳥や虫の声などがBGMとなることで視聴者へより一層いち子の生活にリアルさを感じさせる。
〇私の反応
この映画から感じたことは、とても単調でつまらないなと感じた。これは批判ではない。大きな盛り上がりはなく、この後主人公の人生が大きく左右されるような重要人物が出てくるわけではない。でもその映画の中にある余白に考えさせらる時間が流れている作品だと感じた。また、環境のリアルさにも引き込まれる良さがあり、このリアルさはどうやって演出しているんだろうかと調べると、映画内に登場する撮影地も実際にある山奥で撮影し、近所の人の方言も、その地に住む人から指導を受けたり、実際にそこに住む人が登場しているシーンもある。きっとこの監督がこのリアルな質感にこだわったからこそ主人公の心情へ自然と寄り添ってしまったんだと思う。また作品のなかにある余白が逆に淡々と進む物語の良さだと感じた。
また、写真の観点からみると、被写体のアップばかりでは物語は生まれない。余白にある副題があるからこそ写真もよく見える。この作品も季節を感じられるような風景を映したあとに、主人公の生活にクローズアップしている。こうしたところに言葉のない物語を映しているのだと思う。
〇まとめ
主人公と自分に当てはめてみると、この流れるように生きているいち子に共感するところがあり、私も前職を辞めてから就活をした。そこでこのスタジオに努めたわけだが、正直この年齢で自分の「やってみたい!」という気持ちだけで新天地へいくことは中々のチャレンジであったと今振り返ると思う。不器用ながらに模索するところも主人公と重ねてみていた。
最後に、この作品から感じたことをまとめると、時間は待ってくれないし止まることのない毎日の中で生きていく。流れるように過ぎる日々の中で一度立ち止まったり悩んだりしながらも一生懸命踏ん張って生きていくリアルな現実を静かに突き付けてくるような作品だと感じた。
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