1枚の写真が創られるまでには、多くの肉体的、精神的な労働を必要とします。

この写真だけでも東京堂へ行き花を買ってきて、ギフトショーへ行き椅子を注文し、

ＩＫＥＡで照明器具等を購入し、インターネットで白樺の木も注文し、

壁はハンディーコートを塗って白に塗り、窓にはのり付けした紙を貼り。。。

イメージを構成しインテリアの資料を集め、賃貸契約をし、空間に合うイメージを決定し。。。

 

このような過程を全て経て、写真1枚が創られます。

ある意味写真撮影を行う行為は、一瞬でしかありません。

1枚の写真を創るための一連の作業の中で1つでも掛け違えると、

何か水準の低い写真が創られる可能性があります。

 

写真を撮る行為と、良い写真を撮るための条件を作る行為は直接的に繋がっています。

このような条件を探すために山や野原、名もない都市の片隅を探して回る撮影者もおり、

今日も木材を切っては貼り、ペンキ塗り作業に没頭する撮影者もいます。

この2つが幻想的に相性が合って、創られる写真は、これまでの苦労を吹き飛ばしてくれます。

 

私にとってこの写真がそうです。

女性の美しいラインが、周りの物と適切なバランスをとり緊張感漂うこの写真が。。。