Trim

Tokorozawa Photo
Photo: Satsuki Kudo
Coordinate: Yoko Moriya

整えることは、受け身ではなく能動的に。

ポージングを作り、指示をする。
その過程は能動的に写真を構成していくこと。

私は常に受動的ではなく能動的に写真を撮りたいと思っています。
だから、
見る・感じるという基礎的なことに加えて、
引き出す・選ぶ・整えるということも重要視しています。

「Not on Purpose」のときにポージングについて触れました。
ポージングは、その人の本質を引き出す要素です。

しかし、その1枚だけを撮って終わりではありません。
少しずつ、少しずつ、動かしながら引き出し続けて、揺さぶりながら整えていくことが重要です。

この写真は、先程のNot on Purposeの写真と足のポジションも少し動かし、撮影者から向かって右側に重心を偏らせ、顔の角度も右側に偏らせることで、被写体自身の持つ本質的な美を引き出します。
肘を上にあげることにより、全体的なバランスを整えます。

画面は前ぼかしを入れることにより、撮影者と被写体の距離を出しますが、目線をまっすぐ取ることで、その距離感を錯覚させる効果を生みます。

表したいのは、私が知るあなたの1番美しい姿。

兄になり、男性的な自覚と持ち前の明るく可愛らしい性格が、見ている私たちまで幸せにしてくれるくらい、滲み出ていたよ。

だから、それを受け取るだけじゃなくて、
私の目から見たあなたと、
あなたが私たちと関わってくれて作ることができた空気を、
どんなものだったのかをちゃんと皆にもわかるように、
少しずつ整えながら、
写真を作っていきます。

写真で伝わるかな。
きっと全ては難しいのかもしれないけど、
あなたが美しい人だということが写真を通して伝わってほしいと、思います。

一緒に、この時間を、この関係性を、
そしてこの写真を作ってくれて、
ありがとう。