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Study Log: 『働き方の哲学』 Reloaded 004

投稿日:2020/7/24

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主題本:「働き方の哲学・村山昇著・ディスカバー21社」

久しぶりの「働き方の哲学」シリーズですね~。今回は、「仕事は一人でしているんじゃないよ。仕事は価値を創造するためにしているよ」ということについて考えていきたいと思います。


さて、突然ですが質問です。あなたにとって仕事とはどんなものですか?「お金をもらうための手段」ですか?「やりたくないことを仕方なくやらされること」ですか?それとも「楽しいことも苦しいことも一緒にある複雑なもの」ですか?もしくは「人生の価値を創る重要なもの」ですか?

このたったひとつの捉え方で、あなたの人生は大きく変わるかもしれませんね。以前のブログにも載せましたが、人生の大半の時間は仕事をしているので、自分自身でどんなに否定しようとも仕事は人生に大きく関わりがあるものなのです。なので、仕事の捉え方は自分自身の人生を表すものとも言えそうです。

そして、人生の大半の仕事の時間は、どんな職種の人でもたくさんの人と関わり合いがあります。接客業なら、自店舗の同僚・上司、そしてお客様・取引先様などと毎日関わりますし、デスクワークでも自分一人で成り立つ仕事は存在しません。非営利的な警察官や消防士さんはチームワークが基本ですし、フリーランスのクリエイターさんも職人さんもクライアントや依頼人がいてこその仕事であると言えます。つまり仕事とは、自分の労働力を切り売りしているとも言えますが、同時に「社会に対して、誰かに対して、価値を創造していること」と言えそうです。

価値のない仕事はありませんし、価値が無ければ仕事とはならないと思います。前述しましたが、仕事をするうえではたくさんの人たちと関わり、その関わった人たちとどれだけ価値を創れるのか、関わった人たちへどれだけの価値を与えられるのか、ということで対価としてお給料をもらっているからです。つまりそれが仕事なのです。商業や営業を職業にしている人は、お客様や取引先がいるのでわかりやすいですが、同時に同僚とのコミュニケーションも求められるので、お客様と取引先に価値を与えるためには、会社と同僚に対しても価値を生み価値を創ることは必須です。

私が尊敬する人の一人は、私の母親です。彼女は小学校の教師を職業にしていましたが、その働き方はプロフェッショナルとしてとても尊敬しています。母は、担任を受け持ったクラスの子どもたちに対して、ただ波風を立たないクラスにしようとするのではなく、本当に良いことと悪いことを子どもたち自身に考えさせるような先生でした。ある日、母が担任をしている子どもたちと実際に触れあう機会がありました。私が大学生の時、偶然にも母が働いている地域の学習塾のアルバイトをすることになりました。子どもたちには私が母の子だと気付かれないように隠し通していましたが、ある日母が受け持っている子どもの一人が、今日学校であった出来事の話をしてくれました。彼女は当時小学校6年生でした。担任の先生が薦めてくれた図書が本当に面白くて、生きるということがどういうことか考えるようになったという内容の話でした。その生徒は、5歳の頃に虐待から児童相談所に引き取られて小学生になる頃には祖母と二人暮らしでした。小学生に上がる頃には、とても気持ちがとても荒れていて小学校を何度も脱走して、そのたびに担任の先生が追いかけてきて手をつないで学校へ戻っていく毎日だったそうです。その先生が、学校に行く目的がわからないなら、誰かと仲良くする意味が分からないなら、今はわからないでいいから、学校に来て教室にいなくていいから保健室か図書室にいて給食は先生と一緒に食べてほしいと言われたそうです。そして彼女は図書室を気に入り、担任の先生と一緒に給食を食べるときにいつも本の話をしたそうです。そして先生からお薦めされた本を読むうちに、その感想を言い合う仲になり、先生から薦められた本の内容から、なんとなく生きる意味を知り、誰かと生きることや誰かを信じることの大切さを知っていき、1年生の終わりには皆と一緒に授業を受けられるようになったそうです。それからは学校に行くことが楽しくなり、勉強が楽しくなり、お祖母ちゃんにお願いして塾に通うになったということです。だから、1年生の時の担任の先生にはとても感謝をしていて今でも学校でその先生と本の話をしていると笑顔で話してくれました。その先生が私の母でした。彼女は私がその人の娘だと知らないで話してくれたと思いますが…(笑)

娘の私は、家での母の姿しか知らないので、実際に教え子から母のことを聞くのが新鮮でした。そして、母は娘の私が想像するよりもずっと偉大な人だと知りました。教師という仕事のたった一部ですが、授業をするだけではなく、生徒一人一人の生活や人生に大きく関わって豊かに生きてもらおうと努力していたのだと知りました。私の母は、彼女自身の教師という職業に彼女しかできない価値を持っていたのだとし知りました。それ以来、心の底から母のことを尊敬しています。今は教師から引退している彼女ですが、ボランティアで子ども用のマスクを作って寄付をしています。いくつになっても、社会の未来を創る子どもたちのために今自分に何ができるのかを考えて実践する姿を、私に見せてくれています。

私の母のように、職業に独自の価値を付ける人もいればそうでない人もいるのが現実です。その場合、いったい何が違うのでしょうか?今回も「働き方の哲学」の本を用いて整理して考えてみましょう。


 

仕事とは、「INPUT→価値創造回路→OUTPUT」

一言ですが整理されていてわかりやすいですね。人は仕事をするうえで、このサイクルを絶えず回しています。この流れでしか仕事はできません。少し解説します。

 

・INPUT(投入)

いわゆる原材料となるものを自分自身に投入します。販売業で言えば商品を仕入れることもそうだと言えますし、飲食店で言えば食料や食材がそうだとも言えますね。私たちライフスタジオのスタッフで言うなら、店舗という建物・カメラ・PCなどの機器から、撮影技術やマインドや教育もINPUTします。また先輩の姿勢や信念などという精神性や、本を読んで勉強することや、お客様との時間を過ごした経験などから学んだものも自身の中にINPUTして蓄財されていきます。また自分の仕事のみならず一般教養や関心、どれだけ広く深く知ろうとしているか。これもINPUTになります。ライフスタジオには「知らないことは犯罪」という言葉がありますが、知らないままにしているのではなく自ら積極的に知ろうとすることが、価値創造にも大きく関わってきます。私もアパレルやブライダルにいましたが、INPUTの広さや深さで仕事を創ることができる価値は大きく変わってきます。ライフスタジオでは「読み・書き・討論」を原則とするということがありますが、それはライフスタジオが創造したい価値に関わるからです。価値を創造する素となる人の思考や信念を、自分だけの人生の幅だけでは足りないので学習という文化を提唱しています。INPUTとは投入することのみでなく、培うこととも言えます。いずれにせよ、価値を創造する当事者である人の中に何があるかが重要です。つまりこれが価値を創造するための素となるものです。

 

・価値創造回路

価値創造回路とは、その名の通り自分自身で価値を創造する回路です。INPUTした内容をもとに、自分自身で価値を創造していきます。それは能力×意志×身体で創られるものだと本書では述べられています。

能力は、その人の段階によって異なります。入社1年目の人ができることと、3年目の人ができることと、10年目の人ができることは大きく異なりますよね。できることの広さと深さによってどのくらいの価値が作れるのかは変わってきます。もっとも、経験年数があってもINPUTした内容が乏しければ能力が低いので経験年数のみでは測れませんが。実際に仕事をする要領も能力と言えます。話し方や態度や姿勢も能力に入ります。能力とは自分自身で評価するものではなく、周囲にいる人が評価するものです。自己満足や独り善がりにならないように注意していきたいですね。

意志とは、その名のごとくその人がどうしたいかということです。動機とも言えそうです。「どんな人になりたいか」「どんな人生を送りたいか」「人にどんな風に思われたいか」「どんな価値を創りたいか」と言うことですね。たまにそんなことわからないと言う人もいますが、そういう人は自分自身に集中して意志を確認する時間を持つことをおススメします。なぜならば、この意志こそが自分自身を形成していく素になるからです。このことをわからないからと言ってわからないままにしておくと、「こうなりたい」よりも「こうはなりたくない」「これはしたくない」といったネガティブな食わず嫌いだけが増長してしまうので、多くの時間を損してしまいます。また、意志とはもともと在るものだけではなく造られるものだと思っています。影響を受けた言葉や、本、映画、実際に接した人によって「こうなりたい」「こうしたい」が定まる場合もありますので、意志を養うにもINPUTが重要であると考えます。いずれにせよ、思考停止をせずに常に変化し追求していくものであると私個人は考えます。

身体は、自分自身の体です。仕事は自分自身の体を通して行われます。デスクワークの人も脳を使っている以上は身体を要していますし、私たちの仕事もたくさん身体を使いますね。五体満足であれば、五体満足な動きができますし、たとえそうでなかったとしてもINPUTした内容から能力や意志によって自分がどのように働いたらいいかは導き出すことができます。いずれにせよ、身体を通して働いていることには変わりないので、自分自身の身体の管理はしっかりしなくてはいけませんね。ケガをしたり病気になっては、働けませんし価値創造することもできませんから。その点をきちんと理解すると自分自身の身体を大切にすることにもなります。それはすなわち自分自身をケアすることにもなりますね。働くとは体が資本。食生活や睡眠、健康管理やリフレッシュをすることも働くうえでは不可欠な要素です。逆を言えば、身体を大切にしない人は能力を発揮する土台がありませんし、意志を発揮する土壌がありません。身体管理は有無を言わさず、能力にかかわります。自分の体、大切にしていきましょう。

 

・OUTPUT(産出)

INPUTから価値創造回路を経て、いよいよOUTPUTは価値のあるものを提供する段階です。販売業で言うと商品を売ることであり、飲食業で言うとご飯を提供することです。音楽家は、新曲を発表したりコンサートをすることであり、教師は生徒に接することです。それは実際の物を生み出すことでもありますが、自分自身の想いや考えを人前に出すことで価値を生む人もいます。INPUTと価値創造回路の集大成がOUTPUTです。なので、INPUTをしていてもOUTPUTが無ければ、結局は何も無いのと同じなので、ここでは価値創造顔路が重要になってきます。せっかく学んできたものや鍛錬してきたものがあるのなら、積極的にOUTPUTをしていくことを意識していった方がいいかもしれません。人は、産出されたものがいかに魅力的かで価値を見出します。産出されたものはINPUTされたものが材料になり、価値創造回路で創られた価値の結果物です。この流れは、常に確認して自問自答していきたいものですね。

 

こう書いてみると当たり前のことばかり書いていますが、これらを読んでとてもじゃないけど一人でできる気がしませんよね。そう、仕事は一人で完結するものではなく誰かとともに仕事をすることなのです。INPUTも、最初は先輩の真似をしなければ何もできませんし、先輩の信念に触れなければその仕事の奥深さを知ることはできないでしょう。価値創造回路も、自分ではなく他者と接していくことで自分自身の能力が図れます。他者のリアクションによって、自分が何をしているか知ることができます。OUTPUTも人前に出て自らを表さなければ、仕事をする意味がありません。そして、自分自身の仕事をするにはチームワークも必要ですしヘルプもフォローも必要です。あなたの能力が足りなければ誰かがその分をカバーしているということも知らなければいけません。

 


 

考えてみると、たかが仕事なんて言えませんよね?そのくらい仕事=価値を創るということは、総力戦だということです。それが嫌だと言っても紛れもない事実です。だからこそ、生き方や人生を形成していくのが仕事だということです。仕事に本気で取り組み、価値を生もうと努力していくとおのずと人生が形成されていくのを感じていくでしょう。新入社員の方は、信じられないと思うかもしれませんが、まずは半年間本気で素直に取り組んでみることをおススメします。半年間でも、この流れで本気で取り組めば変化を感じると思います。

 

あなたはライフスタジオでどんな価値を創造したいですか?

私もいま一度一緒に考えてみたいと思います。

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