ふんわりと差し込む自然光。
力の抜けた仕草と、やわらかな表情。
力強い目力をもつ中でも、優しい空気をまとっていた。

カメラを向けても自然体。
“ポーズを取る”というより、その場に溶け込むように動く。
流れるようにシャッターを切れる時間が、心地よかった。

光は、ただ明るくするものではない。
どう使うかで、写るものの印象が変わる。
だからこそ、自然光で撮りたいと思う。

この角度からの撮影は、天気や衣装によっては難しい。
でもこの日は、やさしい光が着物や肌にそっと触れてくれた。
前ボケが重なって、全体のトーンもやわらかくなったのが好き。

ふとした動きや、何気ない表情。
その人らしさが表れるのは、そういう瞬間。
あまり指示をしなかったからこそ撮れた一枚だった。

写真スタジオで働いて約6年、ほぼ毎日撮っている。
それでも毎日違う表情に出会える。
この仕事の面白さと、楽しさを改めて感じた。

自分の身体がいけるとこまでこの仕事は続けるだろうなあ。

 

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photo.write/Ito Azusa    ｜　coordinator/Aoyama Nao