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2016年5月 TED バリー・シュワルツ「我々の仕事の考え方は間違っている」

投稿日:2016/11/17

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TED 第一回 バリー・シュワルツ「我々の仕事の考え方は間違っている」
ライフスタジオ大宮店 上田智国
 
私が担当するライフスクールTED第1回~3回までは、「働く」ということを大きなテーマに対話を行っていく予定だ。今回はその始まりということで、私たちが仕事に対して抱いているイメージや理想を自己確認する中で、仕事の本質的な部分やそれが自らにとってどのような価値を持っているのかを考えてみる機会となった。
今回教材として使用した動画はアメリカの大学教授であるバリー・シュワルツ氏の「我々の仕事の考え方は間違っている」だ。動画は、産業革命時代に作られた仕事や人についての勝手なイメージと定義・規定によって、現代に生きる私たちが大いにその影響を受けているといった内容であり、氏独特な表現や造語によってそれを説明している。
 
動画の内容
【産業革命時代】
経済学の父と呼ばれているアダムスミスが人は基本的に怠惰であると規定。
(本動画では人に対するそのような規定をアイデアテクノロジーと呼んでいる)
それによって怠け者を働かせるためにはインセンティブが必要であると考えられるようになった。要するに人は金さえ与えていれば取り敢えずは働くだろうという安易で非常に単純なアイデアテクノロジーが誕生。
しかしそこでは人の生きがいや働く意義といったものは考慮されることなく、労働者の仕事における精神的豊かさが剥奪された。
④現代にもそのような考えの根付いたシステムが存在しており、それを行使する者とそれを行使される者が存在する限り、このアイデアテクノロジーはなくならない。
だからこそ、既存のシステムに身をゆだねるのではなく、一度立ち止まって考えてみよう。そして私たちが本当に望む仕事のアイデアテクノロジーが何かを考えてみよう。
 
※補足だが、この動画では貧困というものを例に、その原因がなんであるかによって人々の行動が変わることをうまく説明してくれている。
もし貧困の原因が干ばつによる作物の不作であれば、人々は天に祈るだろうし、原因が政府によるものであれば人は革命をおこし、そしてそれが自らに起因するのであれば人は生きるために働くという。人は知らず知らずの内に様々なものを規定し、それによって行動しているということなのだが、それが働くことに多大なる影響を与えている。
要するにその時代、社会が仕事に対してどのようなパラダイムを持つかによって人の行動は変わり、不幸にも幸福にもなり得ることを示してくれている。それは仕事以外のことでもそうだが、どうやら幸せは自らの思い込みや勝手な考えでいかようにも姿を変え得るらしいことがわかった…。
 
この動画の内容を踏まえたうえで、今回は5つの設問に沿って対話を進めた。
①各個人の持つ仕事に対するイメージや考え
②日本社会の中にあるアイデアテクノロジーとは
③それによって起こっている問題
④仕事は金かやりがいか
⑤ライフスタジオの中で働くことについて考えてみる
 
以下、議事録。
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1. 各個人の持つ仕事に対するイメージや考え
仕事って何?(個人的に思うこと)
 
【ヤグチ】
学生時代はお金のため(賃金が良いアルバイトを選んでいた)
ライフスタジオに入ってからは自己実現。
働かなくても良い環境になったら…自分が何を社会に還元できるのか
 
【サイトウ】
漫画家になりたかったが、現実を知ってお金のために。
趣味を通してお金が稼げたら…と思っていた。
今は、仕事を通してより良い人生を送れたら…と思う。
 
【タケウチ】
お金を稼ぐことは生きる手段。→仕事って何?仕事=生きる目標
 
【コウヅ】
奨学金、おこづかいを稼ぐため、働くのは当然のことだと思っていた。
大学では将来に繋がるアルバイトを選んできた。自分のやりたいこと。
お金は必要な分。社会に貢献。
 
【カネコ】
バイトは親への負担を減らす→自分のやりたいことへのステップアップ自分の夢(やりたいこと)をする→惰性になった時もあった。今の一番は世間体。お金は生活できるだけあればいい。
 
 
【スズキ】
何かやっていないと落ち着かない(堕落する)。お金はその次。
仕事が充実しないのは余暇の使い方がよくないからなのか?
 
【キタミネ】
都合よく生きていきたい。仕事はやりたいときにだけやりたい。
仕事は刺激、挑戦の場。一人では出来ないことが出来る。
新しい自分が発見できる場。
 
【ウエダ】
世間体。どちらかといえば働きたくない派。
生活のための手段。宝くじが当たったら働かないかも。
体の他に心も疲弊していくようなイメージ。
 
2日本社会の中にあるアイデアテクノロジーとは
【長時間労働、残業、ブラック企業、働きすぎ、休日出勤、パワハラ、モラハラ】
→日本では高度経済成長期から続く会社組織の古い体質やそこからの脱却に向けた過程において、まだまだ問題となる部分が多いように見える。上で挙げたような日本社会に対するイメージは最近こそ見直すべきだという声が出始めた。しかし、働く現場では否が応でも各自の職場環境に順ずる他ないため、そういった負のアイデアテクノロジーが残り続ける原因となっている。政治家に全てを放り投げるのではなく、私たち労働者がまず自らのおかれた状況について考えるべきだ。
 
3、それによってどのような影響がでているだろうか(社会問題)
過労死、ハラスメント、うつ・・・
日本における労働にまつわる社会問題は深刻だ。長時間労働による過労死や上司のハラスメント。職場内での大人のいじめも大きな問題になっている。また最近よく認知されるようになった鬱病はもはや国民病といってもいいのではないかというほどに日本社会に落ちる影を意識させられる。それは私たちにとって関係のないことではなく、同じ日本社会に生きる労働者として、社会で問題となっていることについて知って行く必要があるだろう。
 
4仕事は金かやりがいか
【三池監督】(映画監督)
俺は職業監督だ。売れるもの、お金になるものを撮らなければならない。
ライフスタジオ…スタジオカメラマン=商業カメラマン
        お金になるものを残さなければならない。
 
→(スズキ)でもやりがいも求めなければならないし必要である。ライフスタジオはお金になるものを提供すると同時に、個人のやりがいや自由を表現できる場所ではないか。
またそのジレンマとの格闘に意義がある。
 
仕事はプロとして働く以上、相手の要求を満たすある一定の基準というものが存在する。その基準を満たした上で、どうそこに自らによる付加価値をつけることができるのか。またはそれを感じることができるのか。仕事は生活のための手段であるが、それ以上の何かというものがあるのではないか。金のためだけに仕事でやり続けることは難しい。
 
 
5ライフスタジオの中で働くことについて考えてみる
(わたしたち求めるアイデアテクノロジーとは)
社会というものは複数の人の集合体だ。日本社会もそうだし、地域社会もそう。その最小単位である家族の中にも社会は存在する。その全てに関係するものは人と人のつながりだといえるだろう。仕事は需要と供給だとよく言われるが、それはつまりwin-winの関係を意味している。
 
社会の中に存在する人々が互いによくなっていける、そんな良いサイクルを描くことが本来の仕事ではないだろうか。また仕事とその対価だけがそれを叶えてくれるのではなく、その中で生まれる関係といったものが一番大切なのではないだろうか。誰か一方だけが満足し、もう一方はそれによって疲れているような関係を良い関係とはいえない。
 
私たちは日々写真を撮り、その写真をもってしてお客様に満足してもらい、その対価としてお金をもらって生活しているが、お金が直接的に私たちを豊かにしてくれているかといえば疑問が残るだろう。それよりも撮影の中で生まれたお客様との関係や、自分が表現したもので喜んでいただけたということにより大きな喜びとやりがいを感じるのではないだろうか。
 
ライフスタジオはそのための環境が用意されているのかもしれない。
 
<まとめ>
・既存のシステムの中に埋もれ、慣れていくのではなく、考えていこう!!
・良い仕事は良い関係の中で生まれる(スタッフ間、お客様)
・働くことはお金を得る以上に、人との繋がりの中で得られる大切なものがある
・システムに付き従うのではなく、仕事の中にちょっぴり自分のエッセンスを混ぜ込み、
それが認められる中で初めて、仕事と私はリンクする
 

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