EducationOmiya

第1回 写真学(ライフスクール)

2018/5/1

271 0

ライフスクール 
第一回 写真学 
第一章 講義編
 
写真とはどういう存在で、それがこれまでどう扱われてきたのか、 
今回の写真学では、写真誕生から今に至るまでの大まかな写真史を学習していきます。 
 
またその中で、ワークショップを通した実践的な学習も行ないます。 
今回の写真学の大きな目的は、写真を見る力(知識)を養うというところにあります。 
 
普段私たちは、写真を撮る力(技術)についてよく話をしますが、 
対して写真を読む力(知識)についてはあまり学習してこなかったかと思います。 
 
技術の習得はプロとして必須ですが、それ以前に私たちが仕事にしている写真とは何なのか、
それについて知って、考えて、実践してみることも大切だと考えます。
 
 
普段私達が仕事として撮る写真とは距離のある内容に感じられるかもしれませんが、 
写真を見る力を養うことで、より根本的に写真を理解し、より親しみを感じるようになるかもしれません。 
 
人によって写真を撮る意味や目的は様々ですし、何かを強要するわけではありませんが、 
写真に携わる者として、写真とは何なのか、一緒に考えていけたらと思います。 

 
写真の歴史 今回は大きく分けて3つ
【決定的瞬間、ニューカラー、ポストモダン】
 
・モダニズムの頂点、決定的瞬間
代表的な写真家:アンリ・カルティエ=ブレッソン、
アルフレッド・スティーグリッツ、ロバート・キャパ
 
動作中の諸要素がみごとに釣り合う瞬間がある。
写真はその瞬間を捉え、その均衡を不動のものにしなければならない。
-ラッセル・ミラー『マグナム』木下哲夫訳(白水社/1999)
 
写真は始め絵画を模倣するように使われたが(絵画主義的写真=ピクトリアリズム)、
その絵画調を排し、よりストレートに表現しようとする流れができる(フォト・セッション)。
偶然の一瞬をとらえて芸術的に構図する「ストレートな写真」が目指される中、
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集『決定的瞬間』がその頂点を極めた。
 
一瞬をとらえる早いシャッタースピードと浅い被写界深度が特徴。
 
・ニューカラーの登場
代表的な写真家:スティーブン・ショア、ウィリアム・エグルストン
 
「等価値」がキーワード。決定的瞬間など存在せず、
写真に写りこんでいる全ての物が同じ価値を持っているという認識。
よってニューカラー的写真には一見して何の変哲もない写真が多く、
前から後ろまでピントが合っている(全て同じ価値を持つもの)という特徴がある。
 
決定的瞬間とニューカラーの違い
  決定的瞬間 ニューカラー
使うカメラ 小型カメラ(ライカ) 大型カメラ
撮り方 主観的 客観的
色調 モノクロ カラー
 
写真には大きく分けてふたつの撮り方があり、どちらを選択するかによって
撮る人による物や世界のとらえ方に大きな違いが生じる。
 
・ポストモダニズム
 
写真を絵画から独立した芸術に高めるために、モダンの時代には戦争をはじめ、
広く社会をめぐる、いわば公共的な題材が多く取り上げられ、大きな物語が創りあげられた。
反面、ポストモダニズムの時代では、小さな小さな個人の物語がとても重要になってくる。
社会が成熟していく中で、個別の細かい小さな問題が至るところに噴出してくる。
社会が、世界が、時代が、もはやひとつの大きな物語では括れなくなってしまったということだ。
また、特徴として、ストレートな写真よりもセットアップされたものが多い。
 
 
次にポストモダンの写真の大きな特徴は、アートと写真の関係にある。
絵画から脱出することで生まれたモダニズムの写真が、
一転、ポストモダンの今日ではアートに接近していく。
またアートも写真に接近する。その結果、もはや写真か、アートか。
写真家か、アーティストか、という分け方そのものが意味を失っていく。
かつてあったさまざまな境界線がすっかりなくなってしまった状況こそ、
ポストモダンの最大の特徴であると言える。
 
【今日の写真】とても雑多で多様化している
(1) ストレートからセットアップへ
(2) 大きな物語から小さな物語へ
(3) 美術への接近あるいは美術からの接近
(4) あらゆる境界線の曖昧さ
 
Q。ライフスタジオ的写真はどうだろうか。今日学習した3つのポイントで考えてみる。

◆参考書籍 「ホンマタカシ たのしい写真 よい子のための写真教室」
 
 

この記事をシェアする