驚いてくれるかな…。喜んでくれるかな…。

そんな心の声が聞こえてきそうなほどに彼はソワソワしていた。

みんなを喜ばせたくて、驚かせたくて。
そんな心を汲み取って、私たち大人と彼とで入念に打ち合わせを行った。
彼が書いてきたという手紙と一輪の花を準備して、1人ずつ心を込めて手渡し。

受け取る人のうれしい笑顔と彼の小恥ずかしい表情。
「ありがとう」という一言とその場に満ち溢れるやさしさが暖かかった。

写真が苦手と伺っていたおじいちゃんも大好きな孫からのサプライズに自然と笑顔があふれ出す。
考えるまでもなく、手は自然とシャッターを切っていた。

写真はサプライズ前の打ち合わせの時のもの。
これから起きる出来事を今か今かと待ちわびる彼の表情が印象的だったので
ちょうど大人の背丈から彼を見下ろして写真を撮ることによって、
受け取り手の視点(立脚点)を得ることができた。

スーツを纏って両手いっぱいに花を抱える姿が可愛らしくもあり、
そしてどこか大人びても見えた。彼はきっと素敵な大人になるに違いない。