PhotogenicOmiya

Studio Photo

2018/5/5

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3才の人見知りの女の子。

 

自分の意志もしっかりと持っています。

 

そんな彼女の『今』をわかっているから、

 

パパさんもママさんも彼女のペースを尊重していました。

 

彼女に無理はさせたくない、という思いも伝わってきました。



 

「遊びながら撮影してもらえたら…」

 

「着替えも無理はせず、着替えられたらでいいので…」

 

「笑顔の写真が撮れたら…」

 

そんなパパさんママさんのお言葉から『着物で笑顔の写真』を残してあげられたらと思いました。

 

また、ご予約の段階から女性ペアでの撮影をご希望されていたこともあり、撮影の入り方については慎重に考えたいとも思いました。



 

来店してから着付けヘアメイクの間も一言も発せず、緊張した面持ちでいた彼女。

 

言葉は発せずとも、周りの大人たちの言葉にうなずいたり、しっかりと目を見て対してくれていました。

 

周りの期待に応えようと彼女なりに精一杯頑張っているのが伝わってきました。

 

そんな彼女に直接話しかけてみたり、着付けの先生とのやり取りを観察しながら、撮影での彼女との距離のとり方を考えました。

 

 

ーパパさんママさんのご希望に添えるようにしたい。

 

そして何より期待に応えようと頑張っている彼女の心を開放してあげたい。ー

 


そんな思いで、いかに彼女に負荷をかけずに笑顔になってもらおうか思いを巡らしていました。




 

来店してからまだ言葉を一言も発しない(質問にうなづきはする)彼女の様子から、クイズや質問などの言葉でのやり取りではかえって彼女を緊張させてしまうかもしれないと判断しました。

 
 

撮影前にカメラマンに彼女の様子と私の考えも伝え、撮影の進め方について話し合いました。

 
 

最初はクイズや質問(好きな食べ物は?など)などの言葉のやり取りではなく、ボールなどを使って彼女自身に遊んでもらうこと、ポージングなどの指示はしない(無理はさせない)こと、家族写真もその遊びの流れで1階の屋根裏のインテリアで撮影する…など細かく打ち合わせをして撮影をスタートさせました。



 

「なんかここ楽しいかも…」

 

「この人何か楽しいことをしてくれるみたい…」

 

最終的に彼女にそう感じてもらえるように、、



 

いざ撮影が始まると、予想通りママさんの手が離れそうになると途端に不安になる彼女。

 

無理にママさんから離そうとせず、位置も決めず、早々に前回の写真で良く笑顔が出ていたシャボン玉を吹いて彼女の反応を伺います。

 

シャボン玉を何度か吹くうちに、少しずつ笑顔がみられるようになっていきました。

 

楽しくなってきたところで少しずつ彼女の位置を決めていきます。

 
 

彼女に極力負荷がかからないように、指示されたと感じないように、慎重に。

 

彼女にはただ「遊んでいる」と思ってもらえるように。

 



シャボン玉の反応から、まずは「人」からではなく「好きなもの」をどんどん提供していこうと決めました。

 

そこから、その好きなものを提供してくれる「お姉さん」である私という存在を少しずつ受け入れてもらおう、そう思いました。

 

シャボン玉の次はボールを転がすなど「物」+動きを介したやり取りから、彼女の心の扉をノックしていきました。

 

 

「ドンドンドン!」

 

と強くたたくのではなく

 

「トントントン…」

 

と優しく、ゆっくりと。



 

そんな遊びながらの撮影で、彼女の心は少しずつほぐれていき、ママへの充電(すぐにママにくっつきにいく)をしながらも、少しの間であればママから離れて定位置にとどまってくれるようになりました。



 

そして家族写真。

 

いつもなら和室でのソロ撮影の後は2階のホリゾントへ移動し、家族写真は靴をはいて組み立てての撮影が主流ですが、遊びながらほぐれてきたこの流れを中断させないため、1階のホワイトベースの屋根裏のインテリアでも撮影することになりました。

 

家族写真でもどうにか彼女の笑顔を引き出したいと思いました。

 

人見知りの彼女は、パパさんママさんと一緒ならリラックスしてくれるだろうと思っていました。

 

家族写真を撮るためにママさんパパさんの位置を決めたりと指示を出し始めた途端…

 

指示が入ったことと、遊びの流れが中断されてしまったことを敏感に察知した彼女は、

 

最初と同じように警戒態勢に入りました。



 

ママさんがそばに寄ることは受け入れた彼女ですが、そこにパパさんも加わってもらおうとすると、お年頃なのか、今はママさんだけがいいのか、はっきりとした理由は分かりませんでしたが、パパさんがそばに寄ることを頑なに嫌がりました。

 

どうしても家族がくっつかない状態…。

 

彼女の表情も最初の時と変わらない警戒心を示した緊張した表情へと戻っていました。



 

それでもやっぱり笑顔の家族写真を残したい。

 

そう強く思いました。

 
 

指示をされたと感じてしまった彼女の気持ちを、いかに別のことに向けさせるかがポイントでした。

 

少しずつ私という存在も受け入れてくれてはいましたが、まだ言葉も発しない状態ではあったので、ここで笑顔を引き出すにはやはり間接的な「物」が必要でした。


シャボン玉やボールはソロ撮影では良かったのですが、動きが出てしまうため今回でいえば家族写真向きのアイテムではありませんでした。
 

そこで私は3才女の子ウケがとてもいい(と私は思っています)しまじろうを選択。

 

しまじろうを小刻みに動かしながら少しリアルな動きをさせ、ちょっと大げさなアクションを加えていきます。(1才赤ちゃんをあやすときにも頻繁に登場するしまじろうですが、3才位になると複雑な動きなどをさせるとウケがいいです)

 

これが幸い彼女にヒットしました。

 

ほぐれたところで、パパさんには彼女に気づかれない程度に近づいてもらうようにカメラマンがさりげなく指示を出します。

 

その瞬間をねらって再度しまじろう劇場。

 

この写真はそんな中生まれた一枚です。




 

『着物で笑顔の家族写真』

 

私がこのご家族に残したかった写真です。



 

モニターではパパさんが「やっぱりすごいなぁ~。さすがですね。笑っている!」ととても喜んで下さいました。

 

そして、パパさんから「実は…」とライフスタジオの予約がとれなくて、別の写真館で七五三の撮影を撮ったけど、笑顔の写真が一枚も撮れず、今回は撮り直しの意味も込めていたということをお聞きしました。

 

七五三を撮り直して良かった、ライフスタジオにお願いして良かったとおっしゃっていただきました。




 

ご家族の思いと、彼女の「今」を形に残すこと。

 

そこで自分ができることを最大限したいと思っています。

 




Photo Kazu Codi Chifumi

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