PhotogenicOmiya

スナップ的スタジオ写真

2019/1/5

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目で見る世界とカメラを通した世界はまるで違って見える。

私たちは何気なく1日を過ごしているが、レンズを覗くとより瞬間を意識させられる。

目で見ていては当たり前に過ぎ去っていく場面も、写真として残すことで別物になる。

 

カメラの眼は肉眼と違って、四角い画面の中に一瞬を捉え、そして表現する。

また捉えられ表現された1枚は半永久的に鑑賞の対象となり、決定的なものとなる。

 

いくら鑑賞者に解釈の自由があるとはいえ、ある程度は写ったもので規定されてしまう。

俗に言う良い写真とは、写真の構成要素を上手く1枚の中で整えたものだと言える。

 

アンリ・カルティエ=ブレッソンは決定的瞬間と言うタイトルで自身の写真を表したが、

幾何学的で見ていて飽きのこない彼の写真は徹底的に計算された写真だと言われている。

 

画面内の多くの構成要素に関連性を持たせ、

何でもない一場面に特別なストーリーが存在するかのようなそんな気にさせる。

画面内に写っているものに語らせる、あるいは鑑賞者に想像させるような、

そんな写真を撮ってみたいし、75枚の中にそういった写真があると良いなと思う。

 

撮影の始まりはとても静かだった。だから良かったのかもしれない。

静かに、そして少しずつ歩み寄ることで、普段とは少し違ったものの見方をしていた。

距離を置いて丁寧に彼の一挙手一投足を見守る。彼のペースにあわせて丁寧に。

 

色んな表情と仕草を見せてくれた中で一瞬、感覚に訴えるタイミングが合った。

狙いを定めたターゲットに照準が合った時のような反射的な人差し指の反応。

頭から指に向かうまでの時間がもどかしいと思いながらシャッターを切った。

 

画角は、お持込の可愛い耳付きフードと指を差した先にある木のバチが写るギリギリに圧縮。

画角をぐっと小さくすることでその瞬間の出来事をより印象的に見せたかった。

 

そして画面左側にはコーディネーターがさり気なく置いてくれていた糸巻きが2つ。

最大限右に寄せた被写体と画面内のバランスを取った。素材感や形もこのシーンに合っていたと思う。

またバチの丸い部分と糸巻きのそれとが相似していることも関連性を生む理由になっている。

 

可愛いフード、視線、指差し、木のバチ、糸巻き。これらの要素が重なり合ってこの1枚が出来上がった。

とてもシンプルな構成ではあるが、そういった瞬間が訪れた時に反応できる準備をしておきたい。

そして行く行くは決定的瞬間と言えるような一瞬を爽快に切り取ってみたいものだ。

 

 

photo by ueda

cody by yaguchi

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