PhotogenicOmiya

すべては目の前の瞬間のために

2019/3/8

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OMIYA Photo 
 Write by Ueda
Photo by Ueda

cody by nukui
 

 

私たちカメラマンは当たり前のことですが、自分が良いと思った瞬間を写真に残します。

私もこれまで色んな場面を目の当たりにしながら、色んな瞬間を写真として残してきました。

そこには成功もあればもちろん失敗もあります。どちらかというと失敗が多いでしょう。

 

ある瞬間を残すのであればシャッタースピードを高くして連写すれば誰にでも写真は撮れます。

しかし、それを美しく、そして不自然に見えることなく残すとなると一気に難易度が上がります。

写真を構成する物は実に多く、ひとつひとつを細かく見ていこうとなると頭が痛くなります。

しかしそのどれもが大切で、ひとつでも欠けると一気に写真の質が落ちてしまうのも事実です。

 

難しく考えることなく写真を撮ることもできます。ある意味それは自由と言えるでしょう。

写真を単純に楽しむだけならば私もその方が良いなと思います。それで良い写真が撮れることもあります。

しかし、それでは偶然に頼ることになり、同じ場面を再現することは難しいままです。

 

私たちはスタジオという箱の中で日々写真を撮り続けています。

そこで撮れる写真は過去からの蓄積と共にある程度決定的になってくるのも事実で、

数年経験を積めば考えることなく一定の質を保った写真を撮ることができるようになります。

それも必要な過程だと思います。ただ、そのまま安定に走って歩みを止めてしまえば、

見えてくるものも見えなくなってしまいます。

 

光もフレーミングも構図のどれもが良い写真を構成するために外せない要素ですが、それだけでは足りません。

私たちは人を撮っています。よって人に先立つものはありません。綺麗な写真は、写真の勉強をして知識を得て、

実践を通した経験を積めば誰にでも撮れるようになると考えています。プロとして必須なものですが、

本当に大切なものは目の前にいる人なのだと思います。結局私たち人を撮るカメラマンは目の前にいる人を

どれだけ写真に表現することができるのか、そこを常に問われ続けているのだと思います。

 

写真的な様々な制約を越えて、どれだけその人に迫っていけるのか。

本当の意味で写真から自由になるヒントがそこにあると感じています。

自分の体ですら自由に使いこなせないのですから、

体以外のものを自分の体の一部のように使うことは至難の業だと思いますが、

もしそうなれたのなら、あとは目の前にいる人と会話やふれあいを楽しむだけで良いのかもしれませんね…。

 

 

写真は2人の関係が強く現れた瞬間を捉えたものです。

そしてこの瞬間、彼らの頭の中にはきっと撮影という二文字はなく、

ただただそこには2人の兄弟の関係だけがあったように思えます。

本来ならば1歳記念なので1人だけの写真を撮るところでしたが、

彼らの場合お互いを近くに感じていた方がより自然な姿が見れました。

そのためお兄ちゃんには自由に動いてもらいながら弟君の撮影を進めていきました。

 

2人の関係をより強調するためにもっとクローズアップしても良かったのですが、

その時カメラに装着していたレンズが標準レンズで、

クローズアップするの為にはかなり2人に近づく必要がありました。

しかし、そのまま一気に近寄れば今目の前にある光景はきっと崩れてしまいます。それは避けたかったので、

瞬時に思考を切り替え、インテリアを整えつつ兄弟の関係もしっかり分かる写真を撮ることにしました。

ただ瞬間的にシャッターを切ることもできますが、被写体以外の部分を意識せずシャッターを押せば、

良い瞬間も何でもないスナップになってしまうのが写真の怖いところです。

 

全ては目の前にある唯一無二の瞬間を美しく残すために。

それを教えてくれた大宮店の先輩方には頭があがりません。まだまだ私に見えていない瞬間があって、

それを美しく残すためには沢山勉強して力を付けていく必要がありますが、

その過程において、改めてその大切さを感じさせてくれたこの瞬間に感謝したいと思います。

ありがとうございました。

 

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