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100万回生きたねこ

投稿日:2014/1/9

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「100万回生きたねこ」   佐野洋子 作・絵
 
今年のサンタさんからの娘へのクリスマスプレゼントの中の1つ。
ずっと気になっていた絵本で、娘と一緒に読みたいと思っていた。
 
娘は保育園で何度か読んだことがあるということで、新鮮な感想は得られなかったけど、
自分の絵本になったことで最近のお気に入りの絵本の1つに加わった。
 
書評にも書かれているが、この絵本は大人向けの絵本でもある。
 
生と死。輪廻転生。人生とは。愛とは。
そんな人生の根本ともいえるような大きいテーマがこの短いストーリーの中に凝縮されているように思う。
そして解釈や受け止め方というのは読む側にとっていかようにも考えられる。
読み手にとって様々な解釈ができる。だからこそ、この絵本が広く愛される理由なのだと思った。
 
私は単純にこの絵本が好きだ。
独特なタッチの絵も好き。
 
そして何度も読み返したくなる。
読み返す度に不思議な気持ちになる。
そしてやはり最後のシーンは泣けてしまう。
 
100万年もしなないねこがいました。100万回もしんで、100万回も生きたのです。りっぱなとらねこでした。
100
万人の人が、そのねこをかわいがり、100万人の人が、そのねこがしんだときなきました。
ねこは1
回もなきませんでした。・・・」
 
物語はここからスタートする。
いろいろな飼い主に飼われていたねこ。飼い主が嫌いで、死ぬのなんか平気。
ねこが死んで泣いて悲しむ飼い主を後目に、ねこ自身は一度も泣いたことがない。
前半はそんなねこの様子が描かれていく。
 
ねこを飼っていた人々。戦争がじょうずなおうさま、船乗り、手品つかい、どろぼう、小さい子どもにおばあさん。
 
ここに描かれている人々とねこ。何かを諷刺しているようにも感じた。
 
そしてあるときねこは誰のものでもなくなる。
のらねこになったのだ。
ここからが後半。
誰かのものであったとき、ねこはねこの人生(猫生?)を本当の意味で生きていなかったのかもしれない。
そして愛はただ一方的に受けるだけで、自分からは愛そうとしない。
飼い主が「きらい」だったのだ。
飼い主の涙も、悲しみもねこには分からない。
分かろうともしていなかったのだろう。
 
のらねこになり、ねこは自分自身の人生を生き始める。
この展開に、考えさせられるものがある。
 
人間だって同じだ。
人生の主人公は他の誰のものでもなく自分自身。
自分が主体となって生きていない人生は、たとえ100万回生きたとしてもその人の人生を全うしたということにならないのかもしれない。
だからねこは生き続けさせられていたのかもしれない。
 
のらねこになったねこは、自分が大好きだった。
100万回も生きたねこは、いろいろなメスねこからアプローチを受ける。
ねこはそれが当たり前のように高飛車な態度だ。
 
あるときそんなねこに見向きもしない白いねこに出会う。
ねこは初めて自分から行動をし始める。
何とか白いねこに関心を持ってもらうために、目の前で宙返りをしたり、100万回も生きたということを伝えたりする。
 
そんなねこの様子に白いねこはただ「そう」と答えるだけ。
 
ねこは白いねこにただ「そばにいてもいいかい。」そう伝える。
「ええ」とだけ白いねこは答える。
そしてねこは100万回も生きたことなんて言わなくなる。
ただ白いねこのそばにいて、生きていく。
子ねこが産まれ、再び白いねこと2匹だけになったとき、ねこは自分以上に白いねこと子ねこのことを好きになっていた。
自分から愛するということをするようになったのだ。
 
前半のねこの態度とは全く違う。
前半はある意味傲慢で高飛車だ。
そしてのらねこになり、自分が好きになり、白いねこと出会い、愛することを覚えたねこ。
この変化は、見ていてとても愛らしい。
 
そして最後。
白いねこが死んで初めてねこは泣く。
これまで一度も泣いたことがなかったねこは、白いねこを失った悲しみで100万回も泣き続ける。
 
そして自分も2度と生き返ることはなかった。
 
初めて、愛する者を失う悲しみに出会ったねこ。
今まで自分を愛して、泣いた飼い主の悲しみも知ったのではないかなと思う。
 
愛を知り、愛に生き、愛に死んでいく。
だから生き返る必要がなかったのではないか。
 
そんな風に私は感じた。
 

あらすじも書いてしまいましたが、むしろ大人が読んでもとても考えさせられる絵本です。
ちなみに娘の感想は「うれしいおはなし」ということでした^^
 

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