PhotogenicShimonoseki

20年後の家族写真

投稿日:2016/12/9

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母「とにかく着て着て〜」
娘1「もー、おとうさんつるつるだからどうかぶせていいかわからーん」
娘2「ひーーー七福神!」
娘3「え、ななめ?まっすぐ?え???」
父「(なんで俺がこんな赤いちゃんちゃんこ着らないかんのじゃ)←内心」
 
撮影が始まって間もない、この瞬間。
お父さんにちゃんちゃんこ着せるだけで大爆笑が巻き起こる、
これが、この家族の姿でした。
今、思い出すだけでも涙が出るくらいおもしろい撮影であったと同時に、
お父さんを中心に家族がぎゅっと集まれる、
お父さんのことが大好きすぎる女性陣を見ながら、
本当に本当に、いい家族だなぁと感じた時間でした。
撮影中も、撮影が終わってからも、そしてこんな時間になっても、
こんなに仲のいい家族がいるもんやね、って思うばかりです。
 
「うちは老若男女、0歳から、むしろ生まれる前から、上は90歳以上まで、
わんちゃんでも何でも、生きとし生けるもの、家族の姿を撮っているんです、
特に下関店は………。
子供写真館じゃないんです、ライフスタジオなんです。」
わたしたちはいつも、わたしたちのスタジオをこう伝えています。
関東にいた頃よりも幅広い撮影が増えたのは、片田舎で始めたスタジオということで、
ライフスタジオをご存知の関東のお客様が帰省のタイミングでおじいちゃんおばあちゃん、
時にはひいおじいちゃんひいおばあちゃんも一緒に下関までいらっしゃって、
大家族集合写真を撮ってくださることが多かったということと、
そしてもうひとつに、
わたしの故郷でスタジオをさせていただいているという要因があると思います。
10年、故郷を離れていたのでその間なかなか会えなかった友人たちが、いつの間にか妻となり母となり、
スタジオで再会するという嬉しい時間も多くあります。
そしてまた、ちょうどわたしたちの親世代が還暦を迎えており、
結婚してからとかこどもが生まれてからというタイミングでなくても、
いい機会だからお父さん主人公で写真でも撮ってもらおうか〜という声が多くあり、
大人が主役の家族写真を撮る機会も増えました。
このご家族の中にもわたしの同級生がおり、写真館に普通やったら大人だけで行こうとは思わんけど、
カメラマンがわたしということで20年振りに写真を撮りに行こう、と家族で話してくれ来店してくれました。
家族全員が仕事をしているので、予定を合わせるだけで一苦労、
なんと撮影の日は、お父さんは夜中から撮影予定の朝9時ギリギリまでお仕事で、
そのまま撮影に駆けつけてくれました。
ハードな上に、いつの間にかちゃんちゃんこ着せられるし、ひとりで写真も撮られるし、
きっとお父さんの内心は何が何やら。。。
そんなお父さんを見て最初から最後まで大爆笑な妻と娘たち。
一見怖そうに見えるお父さんは、言われるがままやられるがまま、
いつの間にか色々着替えもして、そしていつの間にか少しずつ笑顔も出てきて、
この家族が家族であるしあわせを感じる時間になりました。
お父さんが、明るいお母さんと出会ったからこその笑顔。
このふたりあってこその、三人娘たちの笑顔を見ているだけで、わたしたちも笑っていました。
そして同級生だからこそ知っている、思春期や進路やら何やらで、
葛藤だらけの悩んでいた姿も知っているからこそ、
自分で選んだ人生が続いてきた「今」、こうして、家族で笑って過ごしている、
ただその姿を見ているだけで、じんわりとした気持ちがこみ上げるものです。
 
「わたし」はひとりの「わたし」であり、
「わたし」ではない「あなた」と結婚し「夫」になり、子を授かれば「父」になった。
「夫」も「父」も、それはひとつの代名詞であるかもしれませんが、
全て「わたし自身」の選択であり「わたし」として生きていくことになります。
夫であり、父として生きてきた、あの日から今日までの日々。
なんだか一直線に夫であり父であったからこそ、こんなにも求心力のある存在なのだろうと感じました。
何年経っても家族は家族であり、その家族の姿の写真は、やはりひとつの家族写真でした。

この撮影があって以来、小さな子供たちを連れて撮影にやってきてくれるご家族にこの日の撮影エピソードをよく話しています。
今は20代、30代のお父さんに向けて、
「お父さん、60歳になった時もこどもたちを連れて撮影に来てくださいね、
その時も今日のようにこどもたちと思いっきり仲良くいてください!」と伝えています。
 
20年、30年後も、いつまでも。
 
この場所で家族写真を撮っている、一番の想いです。
 
 



shimonoseki
kawano yoh
 
 
 

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