Staff BlogShimonoseki

Kawano Tomomi
下関店

河野 智美

あなたの大切な人は誰ですか?
あなたの大切なものはなんですか?
あなたの大切な時間はどんな時間ですか?

大切なことを、大切に。
感じられる場所になりますように。




下関店の河野智美です。
トレードマークは帽子とオーバーオール。
そうでない日はお洗濯中です。
世界で1番やきそばが好きです。
下関で育ち、福岡で学生時代を過ごし、
8年間ずっと神奈川で暮らし、
そしてまた下関に帰ってきました。

気づけばいつも海に行っています。

いろいろ考える日々の中で、
なんとなく思っていることは、

“Thank you”は「おかげさま」
“I love you”は「おたがいさま」

そんなこと。

感謝すること。許すこと。
誰かがいるから伝えられること。

やさしく、あたたかく、
過ごしていきたいと思っています。
そして、何を大切に守っていくのかを探しています。

Life is Life.

平田旅館 88年間ありがとうございました

2020/1/31

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いつもここの温泉に行くと、笑い声が聞こえる。

 

「体が痛い痛いゆーて薬出してもらうけど、なーんも効かん!はよー死ねってことか!あっはっはー!ここの温泉が一番よ!あっはっはー!」

 

ほぼほぼ、常連さんは70代以上のおばちゃんたち。(下関はよそのおばあちゃんはほぼほぼおばちゃんと呼びます)

 

70代80代90代のおばちゃんたちは、毎日毎日、暑い日も寒い日も雨の日もどんな時も、足が思うように動かなくても、腰が曲がっていても、バスに乗って通っていたそうです。

暮らしの中にある温泉。

 

そしていつもおばちゃんたちは帰り際に、さよなら、とか、おやすみ、とも言うけれど、「また会いましょうね」と言ってくれます。

また会いましょうね、元気でね。

きっとそういうこと。

また、が、あるか分からないけど、また会えるようにがんばるね、ってこと。

 

ただ温泉に入るだけでなく、誰かと会えるからもっと力になる。

みんなの憩いの場であり、生きがいのような、そんな風に思えていました。

 

だから、この場所が大好きでした。

 

40代50代60代も。

時には若い女性も。

小さな子から、首もまだ座ってない赤ちゃんも。

そしてわたしたちも。

みーんな同じ温泉に入って、はじめましても、いつもの顔も、おしゃべりしたり、目を閉じて浸ってみたり。

 

どれだけ行き詰まった時も、温泉に入れば癒されました。

出張から帰ってきたら速攻行きました。

少し鼻が詰まったり喉が痛かったりしたら、すぐ飛んで行って温泉に入れば一発で治りました。

きっと5年間、風邪ひいてないのはここのお陰でもありそうです。

入っても入っても、1回たりとも飽きたことはありません。

入っても入っても、何度でも小さな声で「お見事…」とつぶやいてしまうほどのお湯でした。

 

大河内温泉自慢の、トロトロの美人の湯。

常連の70代オーバーのおばちゃんたちも見事にお肌がつるっつる!!

ぶっちゃけ、負けてます。

(多い時、週4で通ったのに。スタジオから1時間なのに通いつめてたのに。)

 

 

平田愛が強すぎて、止まりません。

 

 

温泉好きな人がいれば、もちろん連れて行きました。関東からのスタッフも連れて行き、なんならお客さんと泊まりにも行きました。

温泉の源泉で炊くごはんがものすごいレベルでおいしくて、他のごはんも無添加の調味料や有機野菜、獲れたてのお魚や地元のジビエを使っていて毎度限界まで食べました。

1泊2食付き7000円という天国。

年に1度の贅沢。

 

ここ数年、元旦は必ずここの温泉に入りました。

朝風呂も昼風呂も夜風呂も、どの時間帯でも最高でした。

 

 

2ヶ月前。

1月31日で閉店すると聞いて、その瞬間、現実を受け入れられずに【え、、、、なんぼあったら買い取れるんやろう、、、】ってすぐ考えてしまうくらい本当になくなってほしくなかった。

買い取れるはずもなく、今日が来てしまった。

 

 

平田旅館、最後の日。

もちろん、宿泊。

(スタジオのお客様と。撮影よりも一緒に温泉行った回数の方が多いファミリー。)

 

最後の最後の出会い。

朝のお風呂で出会った80代おばちゃんは

「小さな頃からこの温泉入ってた30歳の孫が閉店って聞いてわざわざ1泊で東京から帰ってきたんよ。美人になってまた戻ったわ。わたしは明日からどうしよう。でもわたしより市の職員さんが"温泉なくなったら張りがなくなりますね、寂しいですね"ってわたしがボケんか心配しとるわ」と言っていました。

夜のお風呂で出会った小さな3姉妹のお母さんは、20代のまだ独身の頃からお風呂セット持って通ってたと教えてくれました。母娘で入ってる姿を見てなぜだか感動しました。

そしてお風呂に浸かってる途中で話しかけられたのが高校以来会ってなかった後輩だったというオマケつき!

(まっぱだかで、もしかして、、、、ちん先輩ですか?って!!笑)

最終日も素敵な出会いばかりでした。

 

 

平田のお手伝いのおばちゃんたちも(もれなく70代前後)大好きでした。

マツエクとネイル、孫にしてもらったんよ〜って番台でルンルンしてる乙女なおばちゃん(推定80歳近く)みたいに将来なっていたいと思えました。

みんな本当に明るくて元気なおばちゃんたちばかり。

おいしいごはんと素敵な空間と温泉を守り続けてきたご主人と奥さまも尊敬しかありません。

過度なサービスでなくとても自然で、建物も古くても手をかけて、ひとつひとつ大切にしているのを存分に感じられる平田旅館。

こんな場所、これからまた巡り合うのか分からないくらい心地の良い空間でした。

 

3月にはもうこの場所はまっさら何もなくなる。

悲しすぎて、初めて今回平田旅館を写真に写しました。カメラ持ってるのはじめて見たおばちゃんがびっくりしてて、あっ、、、実は少し写真してて、っと初告白。数は少ないけれど、アルバムにまとめてお渡ししました。

 

 

実感がない。

なさすぎてまた来てしまいそう。

 

でも今日は

「またいつか、どこかで会いましょうね」

みんなが口々にそう言いました。

 

、、、、泣ける。

特にアイドルのファンとかないんですけど、きっと好きなアイドル解散する時こんな気持ちなのかとひとり想像しております。

わたしの1番のパワースポット。

 

 

 

 

88年間、ありがとうございました。

 

 

 

 

いい温泉はたくさんある。

でも、この場所だからこそのものが多くありました。

温泉では引き継げないけど、本当は引き継ぎたいけど、大切なものを引き継いでいきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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