Coordinate


所沢店
scrollable

情熱と幼さと無

投稿日:2017/3/16

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TOKOROZAWA 

 

Photo by volvo

codi by Fashionista Kaori

 

Write by Fashionista Kaori


あなたが好きなものを好きだと伝えること。
それはあなたがあなたを1つ私に教えてくれるということ。
 
あなたの好きなものが好きだと伝わること。
それは私が1つあなたを見つけたということ。
 
撮影前私がママさんと話している間、視界の端っこで静かにずっと何かを見つめていたあなた。
何してるのと声をかけると彼のコレクションを指差し「ずっと集めてるんだ」と言った。
それから、「これはこういうやつでこれが一番かっこいいんだ」と静かに話し始め、
そして強く私を見つめた。
もうその瞬間から私は右から、右から何かがきてる。
私はそれを左へ受け流す的な、完全にいつかのどこかの勝山さん状態になってしまった。
こんなにも静かなのに、こんなにも私を騒がせる。
視線を私に向けてからも変わることのなかった表情。
笑ってはいない。
その表情を言葉で表現するならば無表情と言うべきなのに、熱い。
あえてその熱ささえ表現してみるならばきっと1400℃と言ったところだろう。
そう。皆さまご存知の通り、ろうそくの一番熱いところくらいの温度だ。
遠くにいるとその熱さにも気づかないのに、
近づけば近づくほど、炎の力強さと熱さに見惚れてしまうのだ。
今回のコーディネートは差し色で赤を入れようと決意した。
いざ撮影が始まり、年齢の割に落ち着いたこなのかな?と思っていたが
その思いはあまりにも簡単に気持ちいいくらい完全に裏切られてしまった。
あんなにも静かに熱かったと思えばいきなり
「だはっ!!!」と笑い崩れ、笑い崩れたかと思えば今度は
私達の小ボケに「ぬぉおぉおおい!ちがぁああぁぁう」と勢いよくツッコミを入れ、
めまぐるしく変わる表情に私は彼から目が離せなくなった。
 
今回のコーディネートのポイントはルーズ感である。タイトな服を着てももちろんカッコよかったのだと思う。
しかし、私はあえてルーズ感を選んだ。
パーカーを羽織り下からTシャツを覗かす。その中に消しきれない赤の差し色を入れた。
この赤を強調するために全体的にルーズ感を出したのだ。少し大きめに履いた赤のパンツは、
ざっくりと足首あたりで曲げてそのままブーツにイン。
ニット帽と丸メガネは柔らかみを与え彼の幼さを強調する。
もう彼にぴったりすぎて震えた。そしてなによりもこの表情だ。
彼の静かに私を騒がせた「情熱」を帯びた目。語るための口なんて必要なかった。
どんなアクセサリーよりも最高にただ真っ直ぐに輝いていた。
 
この写真に写っているのは彼だけである。
その瞬間を収めたのもカメラマンである。
しかし、私はこの写真を見た時、彼という存在と
この瞬間彼の中に、私と同じものを感じ見ていたカメラマン
そして私自身を感じたのだ。
 
 
あなたが教えてくれたあなたと
私達が見つけたあなたとで織りなす75枚のストーリーのクライマックスの1ページ。
 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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