Staff BlogAoyama

Reiri Kuroki
青山店

黒木玲理

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こんにちは。

黒木玲理です。

ライフスタジオ11年目、2022年現在はライフスタジオ青山店に在籍しています!

【あなたのための、あなたの写真】を自分の中のテーマに置いて、撮影をさせていただいてます。
blogでは、そういう想いを込めたメッセージや写真の分析をUpしています。

お気軽にのぞいてみてくださいね。

写真と価値についての個人的な話

投稿日:2022/3/16     更新日:2022/3/16

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撮影者不明の、きょうだい写真。

何を隠そう、右端のボールみたいなまん丸いのが私。真ん中はよく女の子に間違えられていた、可愛い兄貴。

いつの写真なのかよく分からないけど、なんか厳しい顔して寝てる妹がいるから、きっと私が1歳半の冬とかそんな感じだと思う。良いきょうだい写真だ。

 

当時はまだ、カメラはこんなに身近じゃなかった。写真、といったらイベントの時にでっかいカメラで撮るもので、入学式とか運動会とか、なんかそういう『式』とか『会』の写真がどうしても多い。だから、こんなきょうだい写真は貴重。価値がある写真だと思う。

ここで言う『価値』はあくまでも私の家族にとってのものだけど、親族で集まる時には話のネタのひとつになったり、ガッツリ反抗期を迎えた子どもたちを抱えた母の疲れた心を少しだけ癒したり、図体ばかりでっかくなってしまった私が記憶にもない幼い頃を客観的に眺めて想いを馳せてみたりする、そういう価値だ。

もう二度と、この頃に戻ることはない。誰もが赤ちゃんから始まって大人になる、その流れは止まることはなくて、子どもの頃はそんな貴重な時間を今生きているだなんて思ってもないから、周りの大人がこうして記録を残してくれたりする。

私が赤ちゃんだった頃をこうして見せてくれる写真には、その時シャッターを切ってくれた人は写っていない。写っていないけど、確かにそこでシャッターを切ってくれた人がいたから、こんな写真が残っている。

 

 

こっちは、誰が撮ったか覚えている。ヒョヌクさんだった。

10年前の集合写真。オープンしたばかりだった越谷店で、各店舗のスタッフが集まって、一日中撮影して、毎日写真のことを話して、駅前の居酒屋に繰り出しては大騒ぎの日々だった。

カメラマンデビューして間もなかった私は、ここでめちゃくちゃにダメ出しを食らいながら、自分の写真のベースになる学びをたくさんもらった。

写真を撮りましょう、と言い出したのは河野さんだったと思う。私はスカートを履いてたから、撮影には入ってなかったはず。休みの日だったのか何なのか、ちょっと忘れたけど(笑)。みんなの写真をみんなで撮って、最後に集合写真をヒョヌクさんが撮ってくれた。

この写真を見ると思い出すのは、この日のこの瞬間、というよりは、10年前の、とにかくひたむきでがむしゃらだった日々のこと。そこにまた戻りたいとは決して思わないけど(笑)、ただ、たくさん泣いてひたすら一生懸命だったあの日々は色んな感情が溢れかえっていて、そんな激情にまみれた人間臭さが写真では少し美化されたりするもんだから、あの当時は多分辛いことがたくさんあったけど、思い出としては綺麗だ。青春の記憶みたいだ。

この写真は、私にとってそういうものだ。カメラマンとしての私が、不器用に、がむしゃらに、ただ一生懸命だった頃のことを、綺麗に思い出すことができる写真。

 

写真には、『もうその瞬間に戻れない』という不可逆性の記録という価値と、記憶や感情を伴って見る人の心を動かす記録という価値があると思う。

特に人の写真の場合は、感情的なものがその価値に大きく影響する。綺麗な写真はたくさんあるけど、自分にとって大切な、価値を感じる写真というのは、結局のところそこに写る人や空間に対しての主観的なものだ。

自分にとって愛しい人の写真とか、

通り過ぎてきた思い出を物語る写真とか、

自分も知らないような自分がそこに顕れている写真、とか。

 

 

私は、ライフスタジオでそういう写真を残したいと思った。

芸術的な写真、というのはどうにもよくわからないし、クリエイティビティな人間ではない自覚はある。アートは生み出せないかもしれない。でも、誰かにとって大切な、主観的な価値を感じることができる写真、というものなら、残していけるんじゃないかと思った。

自分が、そういう写真の価値を教えてもらったから。

 

……とは言え、そういうことを感じてもらえるような写真を撮るには、技術が必要だし人間性も重要で。

アートは生み出せなくても、せめて伝えたいことが伝わるような技術的な表現力は必要だし、人間性が真摯でなければ初対面のご家族にとって価値ある写真を撮ることはできない。

私個人でそこを探求していくには、『わたし』という人間の性質上、実は極めて難しかったりもするから、仲間がいて、そういうことを色々考えたりやってみたりする、この環境が本当にありがたい。やってみるとそんなに簡単ではないし、めげることも多いけれど。

ライフスタジオはやっぱりちょっと変な写真館だと思う。そして、この変さが色んなお客様に『良さ』として伝わっているのを見てきた。真摯でいようとする先輩たちの背中を、たくさん見せてもらってきた私は幸運だ。私もまた、ここでそうありたいと思う。

 

 

今年もまた、オンラインだけれど全体会議が始まった。

みんなと一緒に、写真について、価値について、ライフスタジオについて考える時間。

思考の拡張には、客観が必要だ。

そして自分は、まだまだ知らず、足りず、途上だ。

自分が大切だと思うものが、価値があると思うものが、必ずしも全ての人にとってそうだとは限らない。だから、話してみる。客観をもらう。確認してみたり、否定されたり、新しいものを知ったりする。それは、ちょっと苦しいけど必要で、充実した時間になると思う。

 

さあ今年も一緒に、頑張りましょう。

 

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