「彼女のステージ」


ドレスに着替えた彼女は、
誰よりも堂々としていた。
一国の王女が国民の前に立つため階段を登っていくように
ドレスの裾をしっかりつかみ、
彼女のステージへと向かっていった。







2歳の記念でお会いしたご家族にまたお会いできるということでドキドキしながら、玄関に向かいました。
一年前のあどけない2歳ちゃんはどこへいったのか、
3歳になった彼女からは繊細さというか恥じらいみたいなものが感じられました。

「かずちゃんに撮ってもらうんでしょ？」
ママから言われて恥ずかしそうにする彼女。
今回は彼女からのご指名という話を聞き、
とても嬉しかったのと、
彼女のために何ができるのかとぐるぐると考えました。

ドレスを着るのをとても楽しみにしていた彼女は
ドレスを着た途端、身のこなしが変わり、
丁寧にドレスの裾を持ち、歩き始めました。
家でもプリンセスをやってるということで、
ご挨拶する時も、ドレスをひらめかせて回る時も
彼女はプリンセスでした。

ドレス撮影のクライマックスを迎え、
彼女は音楽にのってダンスを踊り始めました。
そして、コーディに促された
彼女は更に上へと進み始めました。
しっかりと堂々と。

その後ろ姿に、彼女しか築けない人生が見えました。
彼女のステージは始まっているのです。
シナリオは彼女の選択により、
二転三転するかもしれません。
でも、どこまでもある可能性にわたしは胸が踊りました。
彼女の人生の1ページにこの日の出来事が
刻まれていくことを祈りながら、
次会うときには、どんなお話を聞かせてもらおうかと今からワクワクしてみるのです。




photo kazu & tae