今月は「その人を表す1枚」というテーマでひと月を過ごした。

 

人は皆違っている。外見はもちろんのこと内面も人それぞれ。

表に現れるものもあれば、隠れているものもあるし･･･。

 

でもひとつ言えることは、「その人を表す」には、まずその人のことを知る必要がある。

知らなければそもそも捉えどころがない状態でただただ写真を撮ることになる。

 

 

知るということは写真を撮る上での第一歩。あいさつのようなものだ。

そこから始まって、少しずつ知って行って、そして初めてその人を表す1枚を撮ることができる。

知らないままの状態で写真を撮ることは、いわばあいさつなしでいきなり撮り始めるようなもの。

 

 

だからまずは観察したり話したり。全部は難しくても、そうやって写真を残せたらと思う。

人だからこそ撮れる写真。もっと踏み込めば、私にしか撮れない写真。それを目指していきたい。

 

 

そのためには相手を知ることはもちろんのこと、私自身が私を理解する必要もある。

良くも悪くも自分を知ることで、今の自分の姿を確認し、次へと変わっていける。

相手を変えるよりも自分を変えた方がと言うが、撮影ではよくその壁にぶち当たる。

 

 

 

私が良くないと思えば、それが写真として残ることはない。

シャッターを押すということは、目の前のことを受け入れ認めるということ。

要するに私の人としての器が狭い限り、受け入れられる現実はとても小さくなる。

 

 

だからまずは広げていく。でも広げすぎるとうすっぺらくなってしまうので、

その次に深めていきたい。それは、受け入れたものをどう解釈するのかということ。

そして、そうやって出来上がったものに被写体らしさや生命力が宿るのではないか･･･。

 

 

知っていくこと、そしてそれを写真に表すこと。

私にしか撮れない1枚を目指して。