Photogenic
横浜青葉店
scrollable
心とイメージの準備 ~Kaori Sasaki
投稿日:2017/7/16
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Photo by Rika Shinohara
Coodi&hair make by Kaori Sasaki
Write by Kaori Sasaki
@Yokohama Aoba
Coodi&hair make by Kaori Sasaki
Write by Kaori Sasaki
@Yokohama Aoba
ここ近年随分と浸透してきたハーフ成人式。
青葉店ではありがたいことに、初めは電話予約で数か月分がゆっくり埋まっていった予約が、
2016年度に通常枠と同じようにweb予約に切り替わり、毎週末10歳を祝う為にたくさんの方からご予約をいただいている。
そのため、私が入社した2012年当時に比べて、圧倒的にジュニアと呼ばれる年齢層の撮影が増えた。
いつかvolvoさんがハーフ成人式を定義した文章の中で、
子供でありながら子供特有の「偶然さ」が作用しない撮影がハーフ成人式であり、カメラマンの持つ技量そのものがそのまま結果として現れる空間となります。
と言う文章があります。
ハーフ成人式が浸透した今現在もスタジオ撮影の中でこの定義は変わらず、
思い通りに言葉が伝わる年齢だからこその試練が、カメラマンの目の前に現れるのです。
だからこそ、その子に適切な言葉とイメージを構築し表現することがとても重要なのだと感じます。
ついこの間のように感じる前回の7歳の七五三の撮影。
久しぶりの再会にどんな少女になったのか、高揚感を胸に秘めながら扉をノックしました。
3年の歳月は彼女を無邪気な子供から、目の前の物を丁寧に乗り越えていく芯のある少女に成長していました。
週6で通うというスイミングスクールは彼女の「体」を「心」と同じように、
しっかりと軸のあるしなやかな筋肉まとわせていました。
それは成長期であることはもちろん、彼女の積み重ねた努力が表れていました。
撮影当日も午前中にひと泳ぎしてからご来店いただいたという、
大人の私が聞くだけでぐったりしてしまうスケジュールを当たり前のように話してくれました。
毎日家族で協力し合って彼女が水泳に打ち込めるように日々を過ごしている中で、
今日は特別にと10歳を祝う為に3年ぶりにライフスタジオにご来店いただいたのです。
その日は冬ならではの独特な鋭い西日。
日の入り直前の低い位置の太陽が、最後の力を振り絞るように強い光を青葉店の広い2階の中央部分まで照らしました。
それはまるで光の道のようにまっすぐと入ってきます。
その光を背負うように被写体を配置し、逆光により髪にキラキラとしたハイライトを纏い、
神秘的な光の道が手前に続くように奥に被写体が来る構図になっています。
また、蓋を開けようか悩んでいるような右手は被写体の意思を、頬杖をつくポージングには少しのけだるさを含み、透過性のあるものを人物の隣に置くことによって光の鋭さを引き立たせ、
また蓋のある入れ物ということから、その子が今からそっと蓋を開けた次の瞬間を想像させるストーリーを秘めています。
この写真はファインダー覗くと瞳に突き刺さるような西日という光を、
最大限に集中し構築したイメージを再現するように整理された一枚です。
一緒に入ったカメラマンの篠原さんは私が入社した当時の横浜店からの付き合いで、
共に過ごした五年間に及ぶ時間は、ライフスタジオで過ごした思い出のほぼすべてに篠原さんという存在が強く刻み込まれています。
篠原さんの撮影は、カメラマンで入ってもコーディネーターで入っても、どちらもその人柄と空気で、
すっとあたかも元々知り合いかのように被写体にすぐに認識されます。
そんな撮影の中で、たまにふっとその空間から一瞬遠いところに行くような感覚があります。
シャッター音が鳴り終わった次の瞬間には、あの聞きなれた声ですぐに戻ってくるのですが、
その瞬間はきっと自分が構築してきたイメージと意図した偶然が目の前にある時だと、
コーディネーターで入っていて勝手に想像しています。
少し久しぶりにハーフ成人式の撮影に一緒に入った篠原さんは、人に見えない形で努力を重ねる人です。
知識や経験を人にひけらかす様な事は一切せず、聞いてみるとポンと自分が努力の末導き出した答えを話してくれる、そんな人です。
言葉と行動に誠実性があり、だから人は彼女に惹かれるのだと思います。
人について多く書くのは、私の性格上少しこっ恥ずかしくて苦手なのでこれくらいにしますが、
そんな大先輩と、あと何回撮影に入れるかわかりませんが、送り出す心の準備は、
もうできています。
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