Photogenic


横浜青葉店
scrollable

彼女の世界 ~Reiri Kuroki

投稿日:2017/7/16

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Photo by Kaori Sasaki
Coordi&Write by Reiri Kuroki

@Yokohama Aoba



カメラマン・佐々木郁に、私はちょっとした憧れを抱いている。

彼女は、コーディネーターとして長く勤めていた。
多くのphotogenicに、コーディネーターとして彼女の名前を見る。カメラマンが見る世界に彼女が寄与する影響は大きく、それは衣装のみならず撮影空間の総合的なコーディネートスキルとして、その能力は極めて高い。
彼女と一緒に撮影に入る時の、心強さは類を見ない。
彼女はphotogenicな世界に連れて行ってくれる、最強のコーディネーターだ。

そんな佐々木郁が、カメラマンになった。
コーディネーターという役割で幾つものphotogenicを作り上げてきた彼女が、自らファインダーを覗き込んで、写真を作り上げていく。
私自身は、カメラマンとしての時間が長く、そんな彼女の撮影にコーディネーターとして入ることに、いつも若干の緊張がある……。
が、彼女自身は、いつも私のささやかな緊張感などどこ吹く風で、カメラマンでもコーディネーターでも変わらずに子どもたちと関わり合い、「かおちゃん」として認識される存在感を放っている。
たくさんの「良い写真」を見てきた彼女は、潜在的に写真の基準を高く持っていて、「良さ」を感覚的に把握しているのだと思う。
だからこそ、何も構えず、自然体の彼女が導く先に、「良い写真」が生まれない訳がないのだ。

この写真を原本で見た時に、新鮮な驚きがあった。
青葉店で、あまり見たことのない角度からの写真だったように感じる。
線の多い青葉店のインテリアの中で、屋根部屋の奥の壁は2ショットを撮る絞りだと得てして奥の壁の線がうるさくなりがちだ。
被写体の立ち位置を、より手前側に置くことで、背景の線が適度にぼかされ、尚且つ屋根の傾斜は被写体のふたりの身長差を繋ぐ線と交錯する位置にある。バランスが良い、と感じるのは、無駄な余白が無く空間がきちんと整理されているからである。
奥の屋根部屋、レンガの壁の窓、手前のキッチン側の窓からそれぞれに入る光は段階的に強弱が感じられ、被写体に当たる光がもっとも強く、彼らの存在を強調している。
彼らの動きは、カメラマンが誘導した。歳の離れた仲の良い姉弟に、どちらにも負担なく楽しめる遊び(その上、写真として撮る時に絵になるという条件も満たす…)を提案する引き出しの多さと、瞬発性はさすがだ。
姉と弟の関係性は、表情によく出ている。ふたりの表情のピークのタイミングを、逃さない。
空間の整理、光を段階的に捉えること、被写体の存在感と表情の引き出し方。
この写真は、とても綺麗で、整っていて、迷いがない。
カメラマン・佐々木郁は、感覚的にこれらをこなすことができる人だ。
きっと本人は、「そこまで考えられてないんですけど〜」と笑うかもしれない(……ひょっとしたら、私の分析の稚拙さに笑うかもしれない)。でも、この絵を作れるということは、そこに至る過程を知っていて、完成図を描けているということだ。
辿り着く場所を知らなければ、道筋を辿ることもできない。彼女は完成図を描けている。だから、組み立てていくことができる。彼女の中の根拠に基づいて。

やっぱり、彼女はphotogenicな世界を作り出すことができる。
 

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