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そこから見える気持ち ~Natsuko Takagawa

投稿日:2017/7/16

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Photo by Jungah Ishigaki
Coordi&Write by Natsuko Takagawa

@Yokohama Aoba



表情には色んな感情を含ませることができる。
笑顔には楽しさや喜びだけではなく、時には困惑や焦りが混ざる事もあるだろう。
誰かと直接コミュニケーションをとるとき、相手の表情を見てどんな気持ちなのかを想像しながら会話をする。けれど、あくまでそれは想像の域だ。
では、相手に対する「想像」を少しでも「真実」に近づけるにはどうしたらいいのか。

 
私はこの写真を見て、彼女の雰囲気と窓からさす柔らかな光が溶けて混ざり合っているように思えた。では彼女の表情から見える雰囲気、気持ちとは何なのか。
少し恥ずかしそうにうつむく彼女。撮影の終盤だからか少し疲れているようにも見える。
でもそれだけじゃない様に思える。何だかくすぐったいような可愛さがある。
何だろうな、何かあったかな、と撮影時のことに思いをめぐらせると、ある事を思い出した。
 

彼女は双子だった。二人で可愛くランドセルを背負って入学記念写真を撮ったのだ。
ふたりは色違いのお洋服を着ていてとても可愛らしかった。白い上着とピンクのリボン、グレーの上着に白いリボン。ピンクのリボンを付けた子が「私ピンクが好きなの!」と言っていたため、白いリボンをつけていた写真の彼女は落ち着いた雰囲気が好きなのだと思っていた。
しかし、ドレスでソロ写真を撮影する時ピンクのドレスを選んだのは彼女だった。
ピンクを好きだと言っていた子は白いドレスを選んでいて、
「私は白も好きで、○○ちゃんはピンクが好きなんだよ」と嬉しそうに教えてくれた。
ママさんも「いつも好きなこと選んでいいんだよと言ってるんですけど、譲ってあげるんですよね」と言っていた。
彼女はついつい周りを優先してしまう優しい子だった。
 

そんな彼女が希望通りの服を身に付けたのだ。それもただの洋服ではなくドレスということで、非日常なワクワクする気持ちもあっただろう。
大好きなピンクのドレスを着れてはずむような嬉しい気持ち。
その気持ちを隠そうとして、恥ずかしそうに目を伏せる仕草。
そんな気持ちのかけらが、この写真にあるように思った。
 

手前の窓から差し込む光が、木の内窓を前ぼかしに入れることでオレンジの柔らかい光となり、嬉しさ、恥ずかしさを視覚的に表している。
また、木枠に沿って光が広がることで、奥の光とも混ざりあい全体的に柔らかい印象となる。
奥の窓の光は彼女を直接照らし、影が出来てコントラストが生まれている。
それによって、嬉しくて気恥ずかしい気持ちと、普段はピンクを選ばないからその喜びを隠したい気持ちの「両面」を表現しているように見える。
 

また、彼女が持っている花やそばにキャンドルが置かれていることで、ピンクのドレスを着た可愛らしいお姫様を演出されている。
写真上だけでなく、彼女の気持ちも演出していることだろう。
だからこそ嬉しく、気恥ずかしいのだ。
 

「想像」を「真実」に近づけるには、その背景を知らなければならない。
だからこそ私たちは、相手を知ろうと話し続ける。
また、想像したこと、知ろうとしてわかったこと、そこから思ったこと、
その全てを視覚的に写真で表せられる人でありたい。
言葉になりきらない想いを、思い出と一緒に。
誰かに、そして未来に届けられるように私たちは写真を残していくのだと思う。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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