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横浜青葉店
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となりにならんで ~Reiri Kuroki
投稿日:2017/7/16
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Photo by Reiri Kuroki
Coordi by Natsuko Takagawa
Write by Reiri Kuroki
@Yokohama Aoba
Coordi by Natsuko Takagawa
Write by Reiri Kuroki
@Yokohama Aoba
幼さの残る、凛とした横顔が撮りたかった。
彼は、飛行機を2つ乗り継いで、バスに乗って行けばお家に着くんだ、と教えてくれました。
遊びに来る時は、ちょっと遠いけど頑張ってね、と。
スタジオのあちこちに頭をぶつけてしまうくらい大きなパパさんと、そのパパさんに抱っこされた、生まれたばかりの小さな小さな弟と、笑顔が素敵なママさんと一緒に、彼は青葉店に来てくれました。
事前に、いくつかのやり取りをメールでしていたママさんが、ここでの撮影にどんな想いを寄せてくださっているのかは、私なりに推察させてもらっていました。
その想いに応えられるような写真を残さなければいけない、という責任感と、どんな風に撮ろうかなという想定を巡らせながら、彼に初めて会いました。
七五三の記念で来てくれた彼は、とっても紳士的な男の子でした。
コーディネーターのなっちゃんと、私と、たくさんの話をしてくれて、
「着物、似合っているね。かっこいいね」と言うと、本当に嬉しそうに笑いました。
とても素直で優しい彼を見て、自分の中の責任感と想定に「彼」という要素が加わった時に、この撮影は自由になったような気がします。
七五三だから、こう撮らなければならない。
そういった固定概念を、不自由を、超えたところでその子自身を表現したいと思っています。
勿論、商業写真館であるLife Studioで、自分の作品撮りのような自由さだけを求めてはいません。でも、着物であることに囚われ過ぎても、大切なことを見失いそうな気もします。
私が撮るのは、「着物」ではないのだから。
生まれてから5年分の時間でいろんなことを感じて、考えて、一生懸命言葉で伝えてくれる、優しくて紳士的なこの男の子自身を、今の彼の存在を、眼差しを、残しておきたいと思いました。
写真のポイントは、「横顔」と「光」です。
横顔は、となりに並んで一緒に歩く、という関係性からの視点になります。
一般的には、あまり真横からの横顔の写真が撮られることは少ないのではないかと思うのですが、私は今の彼らしい面影をその横顔に見ました。
彼の横顔は、額から鼻にかけての綺麗な曲線が輪郭を縁取り、表情豊かな瞳が印象的でした。
そして、丸みを帯びた頬がまだ幼さの残る彼の今の姿を、象徴するものであるように思えました。
5歳の男の子に、ほんのりと残るBabyの名残のような丸み。恐らくあと少ししたら、もっと精悍な少年の表情へと変わっていくまでの間の、わずかな過渡期。
その表現に、今回は窓の外の木漏れ日を利用しています。
スタジオ内の蛍光灯の光のような、拡がる光ではなく、スポットで差し込むような木漏れ日が当たった時、彼の頬の丸みは影の付き方で強調されました。
敢えて、表情豊かな瞳は伏し目にしてもらうことで、写真の中で集中されるところが光の当たっているところ、即ち彼の頬と、睫毛に集約されます。
少しアンニュイな、大人びた表情でありながら、幼さの残るその頬が、とても素直で優しい彼の無垢な存在を表してくれるものになりました。
幼さの残る凛々しい横顔は、次の瞬間には眩しい笑顔になっていました。
彼は私たちとたくさんお話をしてくれ、まだ小さな弟に優しいキスをして、めいっぱい撮影を楽しんで、モニターの時間にはいそいそとおもちゃの指輪をくれました。
(ちなみに、なっちゃんと共用…笑)
事務所の、自分のプロジェクトボードに飾ってあるその指輪を見る度に、彼のことを思い出します。
となりに並んで一緒に歩く、そんな目線から残したこの横顔から、
次に会う時はどんな表情になっているんだろうと、今からわくわくしています。
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