Photogenic
横浜青葉店
scrollable
近くに ~Natsuko Takagawa
投稿日:2017/7/16
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Photo by Satsuki Kudo
Coordi&Hairmake by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
Coordi&Hairmake by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
私は人というか、
温かみを感じる写真が好きだ。
それは感情が見え隠れする表情だったりもするし、
その人の性格が表れている仕草だったりもする。
「その人がそこにいた」
もしくは「私がそこにいる」というような、
被写体を、その撮影空間をより近くに感じる写真が好きなのだ。
この写真を見た瞬間、「映画のワンシーンのようだ」と思った。
写真を見ている私と、被写体の彼女との間にはガラスが隔ててあり、画角の左と下の2辺は白く縁取られている。
まるでスクリーンに映し出された姿を観ているようで、
目が離せなくなった。
シャツと同じ色の花を左側の空いてるスペースに置くことで安定感が生まれ、
西日のオレンジにも溶け込み全体に統一感が出る。
そしてその西日によって映し出された影が、
画面全体を引き締め、
彼女の見つめる先へと視線を誘導される。
見ている先に光がある写真に、
私は明るい未来をイメージする。
今回は西日のため、
明るいだけではない迷いもあるような、そんなイメージも感じる。
そんな光を見上げていることで、
これから未来への階段を上り成長していくというようなストーリー性を感じた。
そこでふと、
ガラスに映り込んでいるカメラマンに気づく。
ガラスのこちら側。
写真を見る私と、ガラスの向こうにいる彼女、
なんだか少し遠くに感じていた。
けれど、カメラマンが例え意図していなかったとしても、
カメラマンが映りこむことでカメラマンがそこにいたこと、
被写体の彼女が確かにそこにいたこと、
おそらく視線を誘導しているであろうコーディネーターがいること、
そんな撮影空間がぐっと近くに感じられる。
大人っぽい、スクリーンに映し出される女優のように見えていた彼女が、
まだあどけない表情で空を見つめる10歳の女の子だと気づけるのだ。
写真は平面で、データや紙でしかない。
けれど記憶や想い、空気、音、全てをのせられるものだと思う。
10歳になる前の記憶や思い出、
そして撮影したこの日。
いつでも振り返って、写真を見たときはいつでも、
この場所この空間に戻れるように。
写真の向こうをもっと近くに。
だからこそ、
空気まるごと届けたいと思うのだ。
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