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印象=深く心に感じとられたもの ~Natsuko Takagawa
投稿日:2017/7/18
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Photo by Kazuma Gomei
Coordi&Hairmake by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
Coordi&Hairmake by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
「子どもの世界」「大人の世界」と分けることがあるけれど、思い悩むことがあり、楽しいことがあり、波があるという点では大人も子供も関係ない。
10歳でハーフ成人式の記念で来てくれた写真の彼女は、どんな日常を過ごしているのだろう。
この写真を見て、初めは暗い影の部分が強くイメージとして残ったが、じっと向き合ってみると「光が印象的な写真だな」と思った。
光が印象的な写真というと、私は白い光に包まれているような写真を思い浮かべることが多い。けれど光と影は表裏一体で、光があれば影ができ、影があるということは光があるということ。
つまりは印象的な影がある場所には、印象的な光があるということだ。
廊下の電気を全て消すことで、周囲が暗くなり左の部屋にある窓からの光だけがこの空間に差し込む。また、被写体が入り口の正面ではなくその横の壁にもたれ掛かっていることで壁から少し出ている左腕とそのライン、顔をまるでスポットライトの様にその部分だけ照らし、視線は自然と被写体に誘導される。ハイライトに露出を合わせることでコントラストが強くなり、立体感が生まれ存在感が生まれる。すっきりとした目鼻立ち、頬のライン、肩から指先にかけてシャープに映し出され、小さいころとは違い大人に近づいていっていることがうかがえる。
また、光が被写体にだけではなく後ろの壁にも届き柔らかく照らされている事、そこから手前にかけてもうっすらと光が当たりグラデーションになる事で、影の部分が多いこの写真が重く写り過ぎず、重心のバランスもとれているのだろう。
被写体の背中から先に大きく余白が空いていることで、被写体に対してのイメージを膨らませやすくもなる。
光に対しては希望や未来、影に対しては悩みや苦しさ、視線はこれから歩む道、気分の浮き沈み、後ろは歩んできた過去。そうイメージするのは、私が安直すぎるからだろうか。でも普遍的なイメージとしてあるものだと私は思っている。
10歳の彼女は今、どんなことに悩み、どんなことに喜び、どんなことに悲しみ、どんなことに幸せを感じるのだろう。この撮影の原本を見る限り、笑顔で元気にはしゃいだり、友達と走ったりすることもあるのだろう。
これから先、写真の様に視線を落とすこともあるかもしれない。でもそんな視線の先にも光はあるものだと思う。今までが不安に感じることもあるかもしれない。でも振り返れば光って見えるものだと思うから、出来ればこれから先もその元気な笑顔の数が多ければいいなと思う。
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