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横浜青葉店
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目次 ~Natsuko Takagawa
投稿日:2017/7/18
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Photo by Kaori kobayashi
Coordi&Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
Coordi&Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
「写真は人生の目次だ」という言葉がある。
人生という道を自分で歩み進んでいく中で、時間も同様に一瞬一瞬止まらずに過ぎていく。そうして歩いていく途中での出会いや出来事を含んだ時間は思い出となり、アルバムや本のような形になるのだと思う。
自分が経験している物語なので、読み直さなくても大体の内容を覚えているだろう。
あのとき何があって、そのときどう選んで、このときはこうした…etc.
でもそれはあらすじでしかなくて、思い出をもっと近くに、当時の状況をリアルに感じるには本を開くのが1番だと思う。
本は開こうとして開くこともあれば、思わぬことがきっかけとなり、勝手に開くこともあると思う。ビデオの映像を見ている時、誰かと思い出話をしている時、手紙を読んでいる時…。
写真はその両方を持ち合わせたきっかけだと思う。私の勝手な解釈だけれど、「強制的に読み返させる目次」だと思う。
ビデオの映像や手紙はその場面を思い出させるものだとすれば、写真は目次、つまりはその写真から始まり、そのとき想っていたこと、撮られるまでの流れ、その年のこと、本でいうとその章すべてを読み返すように思い出が広がっていくイメージだ。
少し曇りの日だっただろうか、笑顔がとてもかわいい女の子が来てくれた。入ってきたときは少し恥ずかしそうにしていたけれど、すぐに元気にお話してくれた。おどけてもくれた。笑
初めに家族写真をホリゾントで少し撮り、続きを2階のインテリアに移動して撮った。
窓からの自然光と棚のライトもつけて逆光で撮ることで、全体的に明るくなる。また、明るくなったことでご家族で合わせてきてくださったブルーや淡い色味の洋服が背景とよく合い、より柔らかい印象となっている。
「ママのおなかにぎゅーっとして」「パパさんママさんもお子様の方見てあげてください」
なんの変哲もないこんな掛け声だったと思う。けれど女の子はこんなにも可愛い笑顔で、つられるようにパパさんママさんも穏やかな顔で見つめている。線の多いインテリアで巣兵垂直が保たれていることで、安定感が生まれ、表情と相まってこの写真を見た時の安心感に繋がる。
女の子がこんなに自然に笑顔でぎゅーっと出来るのは、本当にママさんパパさんのことが大好きだからだと思う。そして何よりママさん達が女の子のことを愛しているのが伝わっているからだと思う。
前ぼけが入ることで、そんなご家族だけの空間を遠くからこっそり覗いているかのような距離感と静かで穏やかな空気感が表現される。
この写真はどんな物語の目次になるのだろう。
恥ずかしがり屋で、元気で、甘えん坊な女の子がお姉ちゃんになる少し前の写真。
二人の子のパパとママになる少し前のパパさんとママさんの写真。
いつかパパさんママさんや女の子がこの写真を手に取って見るとき、この時と同じ穏やかな表情であればいいな。
少なくとも私は、このあとママさんのお腹をぱくっとした女の子が「食―べちゃった、食べちゃった♪」と笑顔で歌った様子を、この写真を見るたび思い出して笑顔になるのだと思う。
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