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初めましての1枚目 ~Kaori Sasaki
投稿日:2017/8/19
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Photo&Write by kaori sasaki
Coordi by kazuma gomei
@Yokohama Aoba
初めましてで出会う君。
君に会う前にたくさんの事をイメージして、たくさんの心の準備をしていました。
それは、ご予約を頂いた際に、「佐々木さんにお願いしたい。」の言葉を頂いていたから。
ライフスタジオで長く働いていると、ありがたいことに再会が多く、その度に少しずつお客様との距離が縮まっていく。そんなことがあります。
そんな中で撮影に入った事のないお客様からのご指名は、私の人生で初めてであり、お話を頂いたときは動揺して、本当に人違いでないかもう一度電話をして貰った程でした。(店舗で有名な話です(笑))
撮影当日まで毎日考えました。
私の写真とは何か、お客様に私の写真はどう映るのか、私が出来ることは何か…。
初めまして前のこの時間が、私の中を想像の旅に連れて行ってくれました。
どんな75カットの始まりにしようか…
1カット目の写真は映画の始まりと一緒で、この撮影の幕が開けるとても印象に残る大切な役割を持っています。
家族写真から行くか。
モノクロのイメージカットから始めようか。
初めましてのまだ戸惑う表情をクローズアップで行くか…
私は、私と彼の間に一枚のガラスを隔てるという選択をしました。
今までの撮影の記憶からか性格からか、撮影が始まる前から人懐っこい笑顔を私たちに見せてくれる彼だったが、どこか儚げな印象がありました。
その初めましてで外から見た、まだ彼の事をそんなに知らない私が感じる姿を表現するのに、一枚のガラスを隔てました。
そのガラスの反射の効果で写真にはぼんやりと写る外の景色と、部屋の中で本を選ぶ彼の姿が写し出されます。
それは私と彼がまだ違う世界にいるような意味合いを含みます。
光は彼の右の窓から入る光で作られるサイド光。
顔に陰影が付き過ぎないよう奥のライトで部屋の中を少し明るくしています。
これから始まる撮影が楽しいものになることを予想しているかのように、彼の口元は微笑んでいました。
75カットを撮り進めながらファインダー越しに知る君の姿は、いろんなものへの興味で輝く目と、どんな瞬間も笑いを求めて、周りの大人を一瞬で笑顔にしてしまう魅力を持っていました。
弾けるような笑顔を持ちながら、そんな中でもたまに見せる不意の表情が、色素の薄い瞳のせいか、少し色白だからか、やっぱりどこか儚げな美しさを持つ少年でした。
後日しゅうちゃんのお母さんからのメールで、
6歳の周雅ですが、6年間の周雅がそこに居て、色んな思いが込み上げパソコンに向かいながら涙が溢れてしまいました。
と、ありました。
写真を見て涙が出るという事は、目の前のものが当たり前ではない事を知っているからです。
これは日々お母さんがしゅうちゃんと向き合いながら、存在の奇跡を感じながら生きている。という事です。
その一瞬一瞬を切り取る私たちの仕事は、目の前の人の人生を切る取る事です。
存在の奇跡を共に感じながら、これからもカメラを握っていきたいと思っています。
p.s
私たちもしゅうちゃんの事一生忘れないよ。
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