Photogenic
横浜青葉店
受け取るイメージ ~Natsuko Takagawa
投稿日:2017/8/19
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Photo by Reiri Kuroki
Cordi by Misaki Nakagawa
Write by Natsuko takagawa
@Yokohama Aoba
ライフスタジオでは7歳くらいの子たちは「大きい子」「お姉さん」と呼ぶことが多い。
なぜならスタジオには0~3歳の子も多く来てくれるので、その子たちと比べるとどうしても「お姉さん」「お兄さん」に感じてしまうのだ。
スタジオで出会う7歳の子たちに、どれだけお姉さんだと感じていても、学校の登下校の姿を見ると、どう見たって1番幼くてかわいらしい1年生だ。
ではスタジオで私たちが感じるあの子たちの「大人っぽさ」は間違いなのだろうか。
そうではないと私は思う。もっと小さい子も多いスタジオの中で見るあの子たちは、やっぱりお姉さん・お兄さんだし、会話で楽しめる姿は「大人に近い」という印象すら私たちに持たせる。
環境と主観で、どう見えるかは変わるのだ。
たとえば家と学校とスタジオで、環境が違えばそれぞれ違う一面が見えることもあるだろうし、同じ場所、同じ時に同じ子を見ていても、見る人によって受け取るイメージが違うこともあるかもしれない。
人によって受け取るイメージが違うというのは、見る要素が違うということ。
他人が持ったイメージに対して「そんな人じゃない」と間違いだと感じたとしても、その人が「そういう人」と見える要素がその人か相手にあったということだ。
この子も七五三記念を撮りに来てくれた7歳の女の子だった。
前髪はぱっつんで、にっこりした笑顔や走り回る姿を見たら、あどけなくかわいらしい印象を受けるだろう。でもこの写真からは可愛らしい、子供らしい印象は受けない。
私はこの写真に「大人へと向かっている」ようなイメージを持った。
まず最初に大人っぽいと感じる要素はコーディネートだ。白と黒のワンピースにジャケット、パールのネックレス、クラッチバッグ、片側に寄せられたウェーブがかった髪、少し大きめで落ち着いた色の髪飾り。
洋服提案のときに「この服も似合うだろう」という、コーディネーターが彼女から受けとったイメージがあったのだろう。
また、この撮影に入っていない私にはこの洋服を選んだのが本人なのかはわからないけれど、「こういう服を着てみたい」という思いもあったのかもしれない。それらも要素のひとつだと思う。
次に感じた要素は、少し上の窓から差し込む光が逆光として彼女の顔を照らすことによって、なぞられているすっとした鼻筋。そしてその光は彼女の大人っぽさを演出する服を照らしながら、画面の右下にかけてグラデーションを作る。
グラデーションの始まりと終わりに明暗差があることと、切り返しワンピースのスカート部分が黒いことで下に重心ができ、安定感が生まれている。
この空間の壁の「赤」も大人の女性のイメージを演出している。
そして光のグラデーション対して過去と未来、というようなイメージを持っている私の目には、その中間にいる彼女は「大人へとむかっている」ように写ったのだ。
これは完全に主観であり、私自身がもともと持っている要素のひとつだ。
人によって、環境によって、どう見えるかは違う。
でも私たちは要素を掬い取って見える形にするツールとして写真を持っています。
自分が見る、自分が思う要素だけではなく、写真を通していろんな人の要素を取り入れながら、いろんな人の想い、見る世界を表現できるカメラマン、コーディネーターでありたいです。
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