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自然体を撮ること ~Misaki Nakagawa
投稿日:2017/8/19
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Photo by Kazuma Gomei
Coordi&Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
コーディネーターとして撮影前に必ず顧客に確認することがある。
「こんな写真が撮りたいなとか、イメージはなにかありますか?」
この質問に対して、具体的なイメージが返ってくることは実はあまりないが、
一番要望として多いのは「自然な感じに撮って欲しい」ということだ。
「自然な感じ」とはいったいどういった状態なのだろう。
これは私がライフスタジオに入社する前に勤めていたスタジオでも永遠のテーマだった。
0~2歳くらいまでのベビーなら、ある程度「自然な姿」を残すことは出来るのではないかと思う。
それはまだ「写真スタジオ」という非日常的な空間を認識する前だからである。
(ベビーでもいつもと違う空間や人物に緊張してしまう場合もあるけど)
なので、自然体を残すことは被写体が大きくなればなるだけ難しい。
私たちはなるべく自然に見えるように様々な声かけをするけれど、それは本当に自然な姿なのだろうかと考えることがある。
五明さんと撮影に入るときはいつも「どんどんこどもの動きをひきだして」と指示を受ける。
なので「どんな声掛けをすれば子供たちが自分で考えて動いてくれるんだろう」というのを考えることになる。
1歳の時から毎年撮影に来てくれている彼女は写真を撮られるのが上手だ。
撮られるのが好きで、おしゃれが好きな女の子。
まだ小さな妹のことをサポートするしっかりとしたお姉ちゃん姿を見せてくれていた1シーン目が終わり、
2シーン目からは今回の主役である彼女のソロ撮影シーン。
ドレスに着替えて嬉しい乙女心をさらに膨らませるために、
「ドレスひらひらして」「くるくる回ってみて」なんてしてもらっていると、
彼女の興味がインテリアの一部である衣装スペースへとうつった。
彼女らしさも十分に発揮されるだろうと思い、彼女にお気に入りのドレスを選んでもらう。
おしゃれ好きな女の子であれば絶対的にわくわくうきうきと心が弾む瞬間。
「ドレスは自分に似合っているかな?」とうつむき、確かめるしぐさは彼女自身の本当に自然な姿だ。
この時私が彼女にかけた言葉は「ドレスのサイズは大丈夫そう?」の一言だけだ。
大事なのが、カメラマンはこのタイミングを選択してシャッターを切っているということだ。
ただがむしゃらにシャッターを切っているわけではない。
私の声かけから子供の動きを予想して、それにあわせて画面の整理をし、タイミングをまって、ベストなタイミングでシャッターを切る。
ドレスを見るためにうつむいた彼女の仕草、嬉しさから少し口角が上がる。
これはほんの一瞬のタイミングだ。
一瞬を見逃さないこともカメラマンの技術なのだと思う。
そしてこの一瞬こそが本当の意味で「自然な姿」なのだとも思う。
でも決して偶然の産物なわけではない。
カメラをもって、ファインダーを覗くとき、自分の想像力というものがとても必要になってくる。
一つの声かけによってどんな仕草が出てくるだろう、どう整理をするとよりその仕草を生かすことが出来るのだろうというのを想像しながらファインダーを覗く。
そして自分の思うここだのタイミングを逃さずにシャッターを押す。
被写体の自然な姿を残すために自分の持てる技術を全てつかって、
私もそういうカメラマンになりたいと思う。
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