Photogenic
横浜青葉店
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観察し改良する。 〜Kaori Sasaki
投稿日:2017/9/19
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Photo by Kazuma Gomei
Coordi by Natsuko Takagawa
Hair make & write by Kaori Sasaki
@Yokohama Aoba
Coordi by Natsuko Takagawa
Hair make & write by Kaori Sasaki
@Yokohama Aoba
このご家族は1歳の時から何度も足を運んでくれている。
今回は6年ぶりのライフスタジオ。
10歳になった少女は、快活で聡明、素直でお母さんとは友達のように話す少女でした。
体は小柄だが、初めて会う私たちの話を当たり前のように聞き、自分の経験や生活と結びつくワードには特に楽しそうに会話をしてくれる女の子でした。
今回この写真を観察・分析しようと思った理由。
一つ目は私自身が挑戦していた場所の写真であり、それを以前この写真を撮ったカメラマンの五明さんに見せた所「いいねぇ、そこきれいだね~」と話していた場所であったから。
そこから更に階調豊かに、一枚の写真として完成された一枚をgood photoから見つけた時には、少し悔しさを覚えたからだ。
私が撮影したスポットに、五明さんの力でさらに鋭く観察し改良が成され、写真に変化をもたらした。という事。
それと、もう一つ。
私が写真を始める前、同じ店舗で働いているスタッフが受けてい撮影練習の場にふらっと混ざった事があった。
その時にやっていたのは「照りを探す」と言う取り組み。
人物にライトをいろんな角度で当て、顔に入る光でハイライトが入る所、シャドウが入る所を探し一番美しい角度を探しながら写真に収める。と言うものだ。
表現の方法として平面的な光もあるが、きちんと光を見て光源を探し、顔や、インテリア、フレーミング全体に計算を持って明暗差を作るには経験と技術が必要になる。
その練習を覗いてから数年。あの時何の気なく学んだことが、後にカメラマンとして写真を見る一つの基準となっている。
今回この写真を見た時には、その明暗差と言う基準に見事にはまり、美しく心に惹かれた一枚であった事から、この写真を分析する。
「光」
この写真のポイントは明暗差だ。
光源は写真右側、被写体の奥にある水色の壁の右側にある蛍光灯ライト。
ライトは被写体から約2mほど離れているが、その光は水色の部屋全体を照らし、光を広げ被写体にまで届いている。
光は被写体に向かって右頬、鼻筋にしっかりと入り、向かって左頬にもぼんやりと光が届き、左の耳や髪はしっかりと沈み、被写体の顔にしっかりとした明暗差が出来ている。
それに加え、手前にある椅子と鳥かごが、写真左下に向かって暗くなっていく壁を隠し、色が沈み過ぎないようになっており、視線が真っ先に被写体に行くようになっている。
「構図」
構図は二分割構図。
大まかに分けると、被写体となる少女の影までが構図右側に当たり、
構図の左側には、手前にかけて壁をなめて入れ、カメラのすぐ前に置いた椅子と鳥かごの前ボケが写真の執着地の役割を果たしている。
「ポージング」
ポージングは足元から付けていくのが基本だ。
おそらく右足を壁に着けるように誘導し、その後手や目線を誘導したのであろう。
10歳ともなると私たちが要求するポージングに対して難なくこなして見せてくれる。
それが故、がちがちに固めてしまう事に私たちは注意しなければならない。
写真を撮る為に「支持をする人」と「支持を聞く人」になってしまっては、豊かな75カットを生み出すことはできない。
ヘアメイクで入った私も施術中にはよく話したが、実際の撮影中はほとんど口を挟まず、五明さんとなっちゃんにその空間を任せた。
程よく抜けた肩の力が抜けた75カットは、撮影中に担当した二人が、たくさんの会話をしたからこそだと私は思う。
撮影中、この子のお母さんにある質問を投げかけた。
「なぜ6年ぶりにまたライフスタジオに来ようと思ってくれたのか」
お母さんは、他のハウス型スタジオにも色々行ったと話してくれた。
「撮ってもらった写真はどれも素敵だったけど、なんだかただ撮っている」とお母さんは言葉を選びながら話してくれた。
おそらく彼女は小さい頃から素直で、私たちが遊んだりすることも素直に楽しむそんな子供だ。一般的に撮影者から見た「おりこうな子供」だ。
だが段々と大きくなっていくと、ただ遊びながら撮影することが出来なくなる。
それは当たり前だが子供が成長するからだ。
しかしそれはまだ大人になったわけではなく、成長過程の子供、キッズからジュニアになった段階である。
ただ写真に写すだけならば、そこに居てくれてポーズをとってくれれば、笑ってくれればシャッターは押されるだろう。
だが肩の力を抜いてもらって、撮影に喜びを感じてもらうには、心へのアプローチ。すなわち会話が必然となる。
五明さんがよく撮影中
「ふざけててすみません!!でも写真は真面目にとってますから安心してください!」とお父さんお母さんに声をかけるのは、それだけ、一般的に撮影中写真が本当に撮れてるのか心配になるくらい、ふざけているからだ。
でも、その空気は子供を開放し、心へのアプローチになる。
だから撮影が終わると、話し過ぎて少しぐったりしてしまうくらい、私たちは本気だ。
お母さんにした質問に返ってきた答えは、私たちが大切にしている事が伝わっている気がして、じんわりと嬉しかった。
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