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統一感の中の光 〜Natsuko Takagawa
投稿日:2017/9/19
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Photo by Kazuma Gomei
Coordi by Natsuko Takagawa
Hair make by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama aoba
Coordi by Natsuko Takagawa
Hair make by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama aoba
この写真を見たときに「綺麗。」と、思わず口から出てしまった。
思わずというのは、感覚的にということだ。具体的には、私はどこを綺麗だと感じたのだろう。
まずこのご家族の印象はとにかくオシャレだった。ママさんが大好きだという子供服ブランドはデザインがとても可愛くて、兄妹ふたり並ぶとより可愛かった。また、パパさんママさんもシンプルにキメつつも、子供服と色を合わせていて、まとまりが良くついつい何度も「オシャレですね…!」と言ってしまっていた。
そんな中始まったソロ撮影。撮られる姿を見ながらふと気づく。彼女の中で「写真を撮られるときの顔」がある。聞いてみると、その子供服ブランドの服を着た彼女の写真をよくママさんやママ友さんと撮影をするのだそう。
つまりは、モデル慣れしているのだ。そしてオシャレも好き。写真を撮られることも好きなのだろう。でも、「どれにする?」など聞くと少し困ったように「何でもいい」と答える少し恥ずかしがり屋な女の子だった。
そんな恥ずかしがり屋の彼女の「写真を撮られるときの顔」はきゅっと小さく口角を上げるその可愛い口元だった。
決まりの表情があるということは、彼女の中に可愛く写りたい、こう写りたいというイメージがあるということだ。
写真を撮られる楽しさは、「関係性」や「思い出」が形になって見えること、
「こういう顔もするんだ」「こういう風に見えてるんだ」という新しい発見、また、それらが美しく表現されることである。
誰でも自分が綺麗に写っていたら、それはすごく嬉しいことだと思う。
何をどういう風に撮るかというのは、カメラマンの選択肢だ。私の勝手な想像ではあるが、今回はその選択肢に、彼女の望むイメージをどう自分流により美しく表現するか、というのがあったと思う。
そして結果的に、出来上がった写真を見て、私は綺麗だと思った。なぜそう感じたのだろう。
まず印象的なのはこの全体の色のトーンだ。カメラの設定で彩度を下げていることで暗めの落ち着いた色合いになる。また、コントラストが弱く滑らかなグラデーションになっていることで、立体感はありつつも画面全体にトーンの統一感が出る。
また、アンダーめで撮っていることも、全体の統一感の要素のひとつだろう。
望遠で撮っていることで、後ろの駐車場は綺麗にボケ、被写体だけが強調される。
その中でもピントが合っている目は、うっすらとメイクを施されていたため、目力があり、目の中がキラキラしていることで子供らしさもまだ感じながらも、意志の強さのようなものを感じさせた。
線で見てみると、駐車場のフェンスのライン以外は、玉ボケも含め、ほとんどが曲線で構成されている。それによって統一感やまとまりが、また生まれているのだ。
統一感やまとまりが生み出すものは、安定感である。
私が感じた綺麗さは、この統一感の中に優しく入る白い光だ。
この彩度もコントラストも低く、全体的に統一感がある画面の中で、白い光は優しく輪郭をなぞり、まだあどけない印象を抱かせつつも、
女の子らしいくるんとした髪の毛先も照らし出す。
白く照らされた場所はこの統一感がある画面の中でたしかにアクセントになっていた。
光が活きているのだ。
全体的に落ち着いた色味の中での、白い光。
それはこの写真をただ暗い印象だけを持たせる写真にしない、大きな要素だと思う。
彼女が描いたイメージとは、もしかしたら違うかもしれない。
でもきっとこの写真は、彼女の思う美しさと、撮影者側が思う美しさが合わさった写真だと私は思う。
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