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【写真分析】立体感 ~Natsuko Takagawa~

投稿日:2017/11/10

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Photo by Reiri Kuroki
Coordi by Natsuko Takagawa
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
 
 
カメラマンは写真を撮る時に色んなものを選択する。光、被写体の位置、ポーズ、小物、画角、表現したいイメージ、、、どれを選択するかによって、同じカメラマンが同じ子を撮ったとしても写真は変わる。
幾つもの選択によって写真は変わるのだ。
この写真は何が選択され撮影された写真なのだろう。
 
この写真にまず感じたのは「美しさ」だ。綺麗だと思い目に留まった。つまりは美しく見える様にカメラマンが構成要素を選択したのだ。
ドレス姿の彼女と、光の入り方を見て撮影するインテリアを決め、ポーズを決める。窓から入る光に背を向け横になるポーズ。寝たふりをすることで、写真のイメージは一気に静かなものになる。また、奥の棚の線、床の線と被写体の体の向きが平行になっていることで安定感が生まれ、写真に対して静かな印象を抱く要因となっている。
両手を顔の近くに持って来てもらうことでミドルでのフレーミングが可能であり、また小さくまとまっている様子からは、女の子の可愛らしい印象を受け取った。
 
窓が少し高い位置にあることで、光に背を向けているものの顔にもうっすらと陰影が付き、上を向いている右肩と髪の毛が一番強く光を浴びハイライトとなっている。そして被写体の顔のそばには花が置かれ、その花もまた、明るく照らされいる。
このハイライト、明暗差はこの写真の大きなポイントの一つだ。
腕や顔にある陰影はもちろんのこと、背景は明るく、見せたい表情は少し暗く、そして手前はまた少し明るく、、、という明暗差でも立体感が感じられるようになっている。
また、この写真ではもう一つ立体感が感じられるポイントがある。前ボケだ。
前ボケその物だけというよりは、前ボケ、被写体、背景の抜け、、、というような段階的な奥行きを感じさせる立体感がこの写真にはある。
 
また、その前ボケを立体感としてだけではなくブルーの花を選択していることで、1枚の写真としてみた時の色味として足されているのだ。色を足すという事は、分かりやすくイメージが付与される事だと思っている。ブルーの前ボケが入ることで、奥のピンクや黄色の花と相まって、爽やかな印象を受けることとなる。そしてその前ボケの花にも光が当たっていることで、明るいブルーとなっている。もしこれが沈んだブルーだったら私は綺麗だとは感じなかっただろう。
 
写真で表現する美しさには2種類あると思っている。「被写体の美しさを切り取る」と「撮影者の思う美しさを被写体で表現する」だ。この写真は後者だと思う。
カメラマンの思う「美しい」という概念をこの時間、彼女で表現するために、この立体感が大きなポイントとして選択されたのだと私は思う。

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