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【写真分析】雰囲気 ~Natsuko Takagawa~
投稿日:2017/11/10
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Photo by Reiri Kuroki
Coordi by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
Coordi by Kaori Sasaki
Write by Natsuko Takagawa
@Yokohama Aoba
雰囲気とは何だろうか。「雰囲気が良い」「雰囲気が好き」と言う事はあるが、それが何なのかと言われるとはっきりとは言えない。「空気感」も同様だ。
今回私はこの写真を見て「雰囲気が好き」だと思ってしまった。そう思ったからにはその雰囲気が何なのか、はっきりさせなければならない。
「雰囲気」を辞書で引いてみると、「その場を満たしている気分・空気」とあった。また「その場にいる人たちが自然に作り出している気分」ともあった。つまりは目に見えないものだ。
目に見えないものを形にする、私たちがよく口にする言葉だ。家族の絆だったり、今までの思い出、その人に対する想い、、、。それらを目に見える形にするために私たちは、意味を規定しながら、衣装を決め、インテリアを決め、光を決め、構成要素を足していく。
つまりは「雰囲気=構成要素」ということになる。
この写真の構成要素は何だろう。どの部分を私は好きだと思ったのだろう。
普段は座ったり、前に立たせて撮ることが多いソファー。両足をソファーの上にのせ、ひじ置きに両手を置きもたれかけさせることでとてもリラックスした印象となる。
また、ゆったりとしたドレスがソファーの下へと下りている様子やそのディテールが写しだされていることで、より柔らかくリラックスしているような演出がされているように思う。
被写体の奥から入る蛍光灯の光は柔らかく腕や鼻筋を照らし、立体感を感じさせる。
そしてその光は、被写体より手前の前ボケに届く頃にはさらに弱まり、白い前ボケがグレーに変わる。それによって1枚の写真として見たとき、蛍光灯の光は奥から手前にかけてグラーデーションを作り出している。
このグラーデーションがあることで、より写真全体の統一感が感じられるようになり、その場を満たしている空気のように、そのイメージを全体に感じるのだ。
イメージは、結局は見る側が後から付与するものだ。
撮影者がイメージを規定しながら撮っていても、最終的には受取手次第なのだ。
しかしそれでも、少しでも、そのイメージを伝え共有するために、撮影者は構成要素を足し、整理し、選択し、撮影をするのだ。
その構成要素が統一感がとれ、1枚の写真で見たときに全ての要素のイメージが一致したとき、その写真の「雰囲気」を感じるのだと思う。
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