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横浜青葉店
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写真分析「演出」 ~Misaki Nakagawa~

投稿日:2017/11/10

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Photo by Gomei Kazuma
Coordi by Misaki Nakagawa
Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba


ライフスタジオに入社して半年が過ぎた。
この半年間、コーディネーターとしてたくさんの撮影に入らせてもらっている。
 
ライフスタジオには「こう撮らなくてはいけない」という決まりは存在しない。
窓から降り注ぐ自然光や、各エリアに仕込んである蛍光灯、ライトボックスを使用して、カメラマンたちがそれぞれに思う「美しさ」というものを表現する。
カメラマンたちは被写体を観察し、自分なりの規定をする。
そして光を見ながら表現に最適な場所を探し、形として残す。
そうして残されたものがライフスタジオの商品である「写真」だ。
 
では、コーディネーターとして撮影に関わる私の役割とは何なのだろう。
ここ最近、そんなことをずっと考えている。
 
・お客様からの要望を聞きだし、カメラマンに伝えること
・被写体であるこどもや家族を観察し、規定すること
・その子にあった衣装を提案すること
・撮影の流れを組み立てること
・カメラマンの意図をくみ取り動くこと
 
もちろんおなじことをカメラマンになっても行わなければならないのだけど、
改めて考えるとコーディネーターというのは難しいなと感じる。
撮影時にはとにかく周りの観察をすること、を第一に考えている。
観察の対象はこども、家族、カメラマンだ。
 
毎日一緒に撮影に入っていてもカメラマンの観察、が実は結構難しい。
とくに入社してしばらくの間は、カメラマンの撮りたい画というのがまったくわからず、
合わせて動くことができないことにもどかしい気持ちをたくさんした。
前述したとおり、こう撮らなければならないという決まりのないライフスタジオである。
カメラマンが自らの美しさの規定の中で動いているため、個人個人で撮影の仕方が全く違うのだ。
カメラマンの写そうとしているカットを予想して、それにあわせてこどもの仕草や表情を引き出すこと。
それがコーディネーターとしての役割だろう。
 
この子の撮影の時はどうだったろうか。
アクセサリーを眺めながらひとしきり遊んだ後、
五明さんが青葉店2階の広い空間にライトボックスを用意し始めた。
 
青葉店の2階はワンフロアで広いが、インテリアが壁付けのため空間を活かすには自分で空間を作らなくてはいけない。
夕方になりだんだんと日の落ちてきた17時少し前の時間。
窓から入る自然光も少なくなってきたため、スタジオの中央にはほとんど自然光は届いてこない。
ライトボックスを置くことで撮影スペースを作り出す。
被写体の立ち位置にだけ注がれる光とバックに広がる影、そして離れた窓からはわずかな自然光。
ライトボックスにより作られた光と影がこの写真に立体感をもたせ、
被写体にだけあたるライトはスポットライトの様になってドラマ性をもたせている。
 
余計なものの映り込みが無く、窓の格子が水平に写りこんでいることで、背景は整理されていることでこの写真の主体がはっきりしているのもドラマ性を感じる要因だ。
 
ではこのドラマチックなシチュエーションをどう演出していくのか。
カメラ目線にするのか、それとも仕草を誘導するのか。
カメラマンの五明さんの撮ろうとしている画とは…?
ふ、と五明さんの意図を探ると、普段はこどもに対して常に何かの働きかけをしている五明さんがカメラを構えてじっと待っていた。
仕草が撮りたいのだな、だけどこの意図的に作られた空間にはこどもが立ち止まっている理由がない。
でも彼女の持っていたバッグが助けてくれた。
「カバンの中見てみて」
彼女から生まれた仕草で、この写真にドラマを生まれた。
 
 
カメラマンが作り出した舞台の中で、コーディネーターとして演出すること。
出来る事はまだまだ少ないけど自らの役割として演出力、というのをつけていかなければと改めて感じた1枚だった。

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人生の写真館ライフスタジオという名前に込めた想い。
それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
家族の絆とかけがえのない愛の形を実感できる場所として、
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