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横浜青葉店
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写真分析「中間地点」  ~Misaki Nakagawa~

投稿日:2017/11/10

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Photo by Gomei Kazuma
Coordi by Natsuko Takagawa
Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba

 
「大人でもなく、こどもでもない」
10歳という年齢を語るときよく使われる言葉だ。
実際、この年齢のこどもをどういう扱いをするのかはとても悩む。
あまりにこども扱いをしてしまえば、本人は面白くないだろうし、だからと言ってやはり大人ではない。
どんなに大人びている子でも、まだまだこどもらしい可愛らしさは見つけることができる。
コーディをするとき、写真に写すとき、
そんな彼女たちの、その中間の部分を探すようにして観察していく。
被写体の彼女は青葉店にお着付に来てくれている先生のお孫さんで
日頃から先生から彼女の話をよくきいている。
大人びているけど甘え上手で、先生はよくお洋服を一式買わされるらしい。笑
今回の撮影では、先生は当然彼女にお着物を着せたかったのだけど、
七五三の撮影で着物に懲りた彼女は「お願いだから着物だけは着たくない」と先生に必死でお願いしたのだとか。笑
そんなエピソードを聞くとまだまだ可愛らしいこどもだなぁと思う。、
一転、話し方や仕草はもうほとんど大人だ。
少しシャイだから、「素直に写真に写ってくれないかも」なんて心配もされてた彼女。
でも来てみるとすぐにコーディのなっちゃんと打ち解けて、一緒になってカメラマンの五明さんをいじっていたらしい。
可愛らしさと大人びた一面をコロコロと見せてくれる彼女のどんな一面を切り取っていくんだろう。

印象的だったのがこの1枚だった。
原本最後の75cut目に入れられた写真だ。
撮影を締めくくる1枚は、撮影者からのメッセージがより強く込められていると思う。
モノクロでの表現はそのメッセージ性をより強めていると思う。

「大人でもなく、こどもでもない」
そんな彼女の今だからこその姿をとらえた一枚のように感じた。
ふっくらとまるいほっぺたや、無造作にかき上げられた髪の毛や、生え際のうぶげだったりはまだ幼さを感じる部分だ。
逆に大人びた印象を受けるのは、彼女の魅力であるくりっとしたまるい瞳だ。
青葉店では10歳の撮影では依頼を受けてヘアメイクをすることがある。
少しメイクを施された彼女の瞳は、より一層力強くこちらを見据えていて、彼女自身の芯の強さを語っているようにもみえた。
このこどもと大人の中間地点にいる彼女の今の姿がメッセージとして強く伝えられている。

画面いっぱいに被写体が写り込み、あえて背景のインテリアなどは一切入れない。
でも彼女の黒い髪によって画面が整理されているため、窮屈な印象はない。
画面の右半分は彼女の黒い髪と影が落ちていることで暗くなり、ライト側、キャッチライトの入った瞳に自然と目がいく。
すべてが彼女からのメッセージを伝えるための演出だ。
写真ではコーディネートやインテリアなど様々な要素を取り入れて被写体を表現するけど、
あえて余計なものを入れずに、被写体だけを抽出していくクローズアップ。
10歳という成長の中間地の表現。
難しい年頃ではあるけど、その子自身を表現する方法というのはいくつもある。
その時、その子自身にあった表現をしていくことをさなくてはいけない。
そのためには自分自身の様々なアンテナを磨いていかなくてはいけないなとおもう。
 

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