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横浜青葉店
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写真分析「そのまま」 ~Natsuko Takagawa~
投稿日:2018/1/14
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Photo & Write by Natsuko Takagawa
Coordi by Reiri Kuroki
「この写真、生っぽい。」
私が写真を見てたまに感じること。何をもって「生っぽい」と感じているのか、定義するために先輩の撮った写真や、好きな女優さんの写真集、webで拾った写真、などなど「生っぽい」と感じる写真を集めて共通点を探してみた。
生っぽく感じる理由がいくつかあったため、定義しかねていたが、ひとつ確実な共通点があった。
・肌の質感がしっかりとわかる露出設定
白くふわっと、という幻想的なものではなく、肉眼で近くで見ているような、質感が伝わる露出。
青葉店では五明さんがそういった写真を撮ることが多く、そのことについて店舗のスタッフと話しているとき、「大人の女性が撮られて嬉しい露出設定ではない。笑」という話もあった。毛穴や肌のキメまでわかる写真だからだ。
つまりは、綺麗すぎない写真ということで、私自身そういう写真を好きだと感じる反面、
なぜ綺麗すぎない写真を撮るのだろうと不思議にも思っていた。
彼女は10歳の女の子だった。ハーフ成人のお祝いで来ていた彼女。キリッとした目も魅力的だったが、私が何よりも好きだったのはクシャッとしたとした笑顔だった。
最初は少し緊張からか、あえてツンとした態度を取ったり、こちらのリアクションを見てニヤリとしたりもしていたが、兄弟写真は一緒に遊んでくれるし、ソロ撮影が始まったら女の子っぽい仕草もたくさんしてくれた。
ウインクをしてくれたときは思わず「可愛いー!」と言ってしまった。
可愛らしい外見で、実はボーイッシュでサバサバしているのかな、と思っていたけど、可愛く写りたいし、オシャレも好きな、中身も可愛らしい女の子だった。
撮ってるうちに色んな表情を見せてくれる彼女がただ好きで、友達になりたいような感覚になっていた。
ドレスでの撮影になり、ライトの近くに立たせ、白くふわっと綺麗に写そうとする。
彼女もこちらの指示の通りに動いてくれる。
そして撮りながらふと頭をよぎる。「生っぽい写真」。
可愛い格好をして、可愛いヘアメイクをして、可愛く写りたい女の子を可愛く綺麗に撮りたい。白い光に包まれる女の子は可愛いし、事実彼女も可愛かった。
でも、同じくらい、自然なあなたも可愛いよ、と思っていた。
露出を少しアンダー目に設定して、でも顔の陰影はしっかり出るように。
10歳になり、少しずつ大人に、女性らしくなっていることが伝わるようにイヤリングを人差し指で触ってもらう。
その大人っぽさが、綺麗さが、幻想的なイメージではなくリアルなんだと伝わるように、そのままで綺麗だと思っていることが伝わるように、生っぽく。
正直、まだ「生っぽい」については定義しきれていないが、今回少し答えに近づけたような気がしている。
また、「生っぽい写真」いわゆる「綺麗すぎない写真」を何故撮るのかは、
少なくとも撮影者がその瞬間のその被写体をそのまま綺麗だと感じているからだと感じた。
その子が写りたいイメージ、私が伝えたいイメージ、パパさんママさんが想っているイメージ。せっかく75枚あるのだから、その中で色んな想い、イメージを形に出来るカメラマンになっていきたい。
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