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写真分析「のぞく①」 ~Misaki Nakagawa~
投稿日:2018/1/14
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Photo by Reiri Kuroki
Coordi&Write by Misaki Nakagawa
@Yokohama Aoba
この1枚を選んだ時に最初に思い浮かんだ言葉は「わくわく感」でした。
いたずらな目線でカメラを見つめる彼からは、
この空間を、この時間を楽しんでくれている、そんな空気を感じたのです。
彼は3兄弟の真ん中で、もうまさに真ん中!という感じのやんちゃでマイペースな男の子でした。
そのマイペースさが可愛く、
とっぴょうしもないことをしては周りの大人たちの笑顔を引き出すような子でした。
当然、この彼の目線の先にはカメラマンであるれいりさんがいます。
ではコーディである私はどこにいるのか、というと彼の目の前にいます。
撮影の終盤、集中力も切れ始めた彼の好奇心を精一杯煽ってやってきたこの場所。
日はもうほとんど沈んでいたため、光源は彼の手前と背面にあるライトボックスのみです。
この場所でどうにかこうにか彼を楽しませなくてはいけません。
ここで彼が身に着けているハットがいい役割をしてくれました。
「これをかぶってててね」と彼の頭にかぶせたハット。
かぶるとすぐさま彼は顔が隠れるくらいスポッと深くかぶりなおしました。
「それじゃ顔が見えないよ~」と言いながら直すと、それを面白がってまた深くかぶります。
何度か繰り返していると、今度は私がハットを直せないように両手で帽子を強く押さえたのでした。
シャッターチャンス!
その様子をみていたれいりさんからひと言「くろちゃんどこだ~?」
いたずらをして楽しんでいた彼の表情をそのままに写真に残すことができたのでした。
・光
前述したように彼の背面にあるライトボックスがメインの光源です。
2歳の彼のまるみのある輪郭をやさしくつつむような光になっていて、
幼い彼特有のかわいらしさが表現されています。
また彼の手前にも光源があるため画面の手前は明るく、
光源の全くない奥側は暗く落ちているため全体に奥行きを感じるライティングとなっています。
・色
手前に前ボケの緑、後ろに車の緑。
彼のハットの茶色と、フレームのようになった小屋の茶色。
色味が統一されているためまとまりを感じます。
・ポーズ
「ぼうしをかぶる、とる」という動きの中である程度予測のできるポージングです。
副産物的にうれしかったのは両手で帽子を押さえたことで、
彼のポッコリした真ん丸おなかがちらっとみえたことでしょうか。
「このポーズをしてね」と頼んだのではなく、遊びの中で自然と誘導されたポーズだったため、
彼の表情もごく自然なものとなっています。
・構図
小屋の床面と壁をうまく切り取り、フレームのような役割を作っています。
縦のラインと横のラインが取り入れられているため、ここでも画面に奥行きを作っています。
この奥行きがあるためフレームの外から、フレームの中を覗き込むようなそんなわくわく感を感じられるのかもしれません。
この写真はカメラマンの存在が写真に反映されているからこそ完成されている1枚です。
被写体がカメラマンのほうを覗き込んでいることがポイントになっています。
「のぞきこむ」というのは何か見たい対象があって生まれる行為です。
その行為がかれの好奇心を刺激して、わくわくを生みだしたということの証明になるのではないかと考えます。
撮影に入っていた私やれいりさんはこの時どんな状況で、どうやって写真が撮られたのかというのをもちろん知っています。
でもこの写真からはその状況をたとえ知らなくても、わくわく感だったり、やんちゃな彼自身の魅力を伝えるものがあるのではないかなと思います。
*saki
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