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写真分析「美しさ」
投稿日:2018/2/17
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Photo by Satsuki Kudo
Coordi by Natsuko Takagawa
@Tokorozawa
Coordi by Natsuko Takagawa
@Tokorozawa
ひとつ前の写真分析でも書いたが、クローズアップは「美しさを抽出する写真」なのだと思っている。
何を美しいと思ったのか、何を残したいと思ったのかによって、写すものも変わり、
どう表現したいかにより、撮る光、角度などの構成要素も変わってくる。
クローズアップに限ったことではないが、それが特に如実に表れるのがクローズアップなのだ。
写真の彼女は赤ちゃんの弟がいるお姉ちゃんだった。
優しいお姉ちゃんで、弟くんの世話を焼きたいお姉ちゃん。
2ショットのときも、にこにこ笑いながらたくさん協力してくれた。
この子のことを思い出すと真っ先に笑顔が浮かんでくるくらい、
本当に終始にこにこだったのだ。
だから、力強い目をしているこの写真がとても印象的だった。
けれど、新鮮に感じる一方で、しっくりきていると感じた自分もいた。
というのも、家族写真や2ショットの撮影中に、
「世話焼きのお姉ちゃん」以外に少しだけ感じた物があったからだ。
それは、優しいお姉ちゃんのなかにちらっと見える、ヤキモチのような、
もう少し自分を見て欲しいような雰囲気だった。
にこにこの中にちらっと見えただけだったから、
少しの違和感で終えていたのだが、
この写真の目を見て何だか納得をした。
あぁ、さっき見えたのもやっぱり彼女の一面だったのか、と。
工藤さんはこの子自身を撮ったのだと思った。
「弟がいるお姉ちゃん」ではなく、
撮影の次の日やっと7歳になる女の子である彼女を。
ドレスを着て喜んでいる彼女を。
撮影を楽しんでくれている彼女を。
そんな彼女の美しさを表現するには、どんな角度がいいのか、仕草がいいのか探るように、工藤さんはポーズを少しずつ動かしていく。
そしてその中のひとつであった、この仕草。
顎を手に付けたまま上を見上げていることで、目力が生まれる。
その目が「お姉ちゃん」という側面だけではない、彼女の意志の強さのようなものを感じさせる。
笑顔の間にちらっと見えた、彼女自身。
それが表れているその目がより際立つように、他の要素をなるべく排除して、クローズアップが選択されたのだろう。
抽出する美しさには、外見と内面があるように思う。
ただ美しい角度を仕草を探すのではなく、
内面の美しさを表現するために、光を、インテリアを、ポーズを選択していくのだ。
美しい写真を撮るには、
その表現を知らなければならない。
また、被写体をよく見ることも必要不可欠なのだ。
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