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写真分析◇12[兄と弟]
投稿日:2018/2/17
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@Yokohama aoba
Photo by Kuroki Reiri
Cordy and Write by Kanasugi Mayu
Photo by Kuroki Reiri
Cordy and Write by Kanasugi Mayu
コーディネーターという目線から見る撮影について
コーディネートを決めるときは全身のバランスを見て考えています。
トップス、ボトムス、靴というアイテムや、全体の雰囲気、小物、そして被写体の顔立ち。
ひとつアイテムを変えるだけでコーディネートの印象は変わります。
それが複数人数、つまり兄弟写真のとき、「お揃い」を意識しない場合は「どのようにアイテムを組み合わせて2人に共通のイメージを作り上げるか」ということを全身のバランスを考えながら組み立てていきます。
今回のモデルは5歳と9歳の兄弟でした。
かなりシャイで慣れるまで時間のかかる弟くんと、その弟くんに対して面倒見のいい、年齢のわりには大人びているお兄ちゃん。
私はこのくらいの年代の男の子が来るとニット×シャツの定番の組み合わせを提案することが多いのですが(鉄板で可愛いので)、顔立ちのハッキリしたお兄ちゃんを見ていると、ニットでふんわりとまとめるよりもジャケットを使った方が顔に合うのではないか、と思い今回はお兄ちゃんの雰囲気に合わせてコーディネートを作っていくことにしました。
兄弟というのは似ているように見えてお互いの印象は別々のことが多いです。
ただそこで一人一人に合わせていると兄弟としての統一感は出ません。どちらか1人、ポイントとなる方を選び、そちらの方に合わせてコーディネートを組み立てていき、もう一人を寄らせていくという方法を私はよく取ります。
これによって彼ら二人を「兄弟」として表現するためのコーディネートが作りやすくなると考えています。
今回軸として選んだのはチェックのシャツ。
親しみやすさを感じるこのアイテムを中心に、ネイビー系とブラウン系を組み合わせました。
先ほども書いたように、今回はお兄ちゃんの方のコーディネートを先に組み立てたのですが、それにはもうひとつ理由があります。
ライフスタジオには全く同じ洋服はさほど多くありません。
130cm以降はそれより小さいサイズに比べると少し種類や数が少ないですが、そのぶん比較的コーディネートは決まりやすいです。そのためお兄ちゃんのコーディネートを組み立てたときの全身のバランスを見て、弟くんのコーディネートを決めました。
お兄ちゃんは濃いめのパンツに明るい色のスニーカー。
弟くんは明るめのパンツに濃い色のブーツ。
身長差がある兄弟だからこそ、横並びの写真が映えると考え、全身で映ったときの「2人のコーディネートによって写真が完成するように」ということを意識してこのような組み合わせにしました。
小物として選んだ帽子も薄めのベージュ。
上半身が暗く下半身が明るめのこのコーディネートでは、トップに下半身と同じような明るめの色を持ってくることでバランスがとれると考えました。
ニット帽ではなくハットを選んだのも、今回基準としたお兄ちゃんの雰囲気に合うと考えたからです。
全身のバランスで考えたときに、もうひとつポイントとなるのが「被写体の表情」です。
私は彼らに「兄弟らしい表情」を出してもらいたいと思っていたのですが、それを生むきっかけとなったのが撮影中に発覚した「弟くんの異常なまでのこしょぐりの弱さ(笑)」。
この弟くんはとにかく緊張しいで人見知りで中々笑顔を見せてくれなかったのですが、肩に手を置かれるだけでくすぐったくてニヤニヤしてしまうのです。
「せーの!」の合図でお兄ちゃんに弟くんの肩に手を置いてもらい、弟くんはくすぐったくてニヤニヤ。
このときお兄ちゃんは「弟くんの心をほぐすために少し意地悪なことをするお兄ちゃんの顔」、弟くんは「お兄ちゃんにくすぐられて笑いたくないけど笑っちゃう弟の顔」という、兄弟だからこそ出せる関係性の表情をしているのではないかなと思います。
恥ずかしがり屋の彼の心を開くのは、私たちアシスタントではなくいつも一緒にいるお兄ちゃんだからこそできたのではないかなと。
「お揃いのお洋服をご希望の場合はお持ち込みお願いしますね」と私たちはお客様のご予約の際に電話で伝えていますが、私としてはその兄弟の雰囲気や関係性に合わせたコーディネートを提案できる楽しみがある兄弟コーデが大好きなので、ぜひ「ライフの兄弟コーデ」を楽しみに来店していただければなと思うのでした。
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