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写真分析◇13[トリガーとなる存在]
投稿日:2018/2/17
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@Yokohama aoba
Photo by Gomei Kazuma
Cordy and Write by Kanasugi Mayu
Photo by Gomei Kazuma
Cordy and Write by Kanasugi Mayu
コーディネーターという目線から見る撮影について
人は誰しも「緊張」という感情を持っています。
緊張すると人はいつも通りの行動や表情ができなかったりして、精神が不安定な状態になります。
撮影に来る子供たちにとってもそれは例外ではなく、この写真くらいの年代の子供たちとなると、写真を撮られることに対して緊張感を抱いてしまう子の方がほとんどです。
けれども、そのような状況において子供たちの緊張をほぐしてあげるための存在が私たち「コーディネーター」だと考えています。
カメラマンは子供たちのいい表情を逃さないために常にカメラを構えています。普段あまり見ない大きなカメラというのは、撮られる側の子供たちからしたら異質な存在で、緊張を誘うものでもあると思います。
そんな時、カメラという媒体を通さずに被写体に近づけるコーディネーターの力が試されると考えています。
今回、この写真の姉妹の緊張をほぐす材料は「心踊る空間といつも近くにいる姉と妹という存在」でした。
七五三と入学記念で撮影に来ていたこの姉妹、家族と離れ一人でカメラマンと撮影をするソロ撮影の時は妹ちゃんはママを求めてしまったり、お姉ちゃんは緊張からあまり笑顔が出ずにいました。
プロのモデルでもない彼女たちが、「スタジオでの撮影」という場所に緊張してそのような反応を示してしまうのは決しておかしいことではありません。だって「いつもと違う環境」だからです。
けれどもその「いつもと違う環境」が決して怖い空間ではないこと、楽しい遊びの空間であることを示すのが私たちコーディネーターの役割です。
撮影前や撮影中もたくさん子供たちと話をして仲良くなったり、いろんなおもちゃや時には自分自身の体を使って子供たちと遊んだり。
特に五明さんとの撮影の時に多いのが体を使った撮影。
今回、緊張してしまい中々笑顔が出ないお姉ちゃんの時のソロでは、全身を使って動いて、遊んで。その時私は五明さんの後ろでひたすら体を動かして「真似をしてね!!」と言わんばかりに動いていたのですが。
体を使って遊ぶことは固まった心を解きほぐすことにつながります。
そしてその遊ぶ対象は、コーディネーターである私です。
たとえ初めて会う人間の私とでも、撮影前や撮影中に関係を築いていくことで笑顔を出すことができます。それは今までのブログでも証明しています。
けれども、彼女たちにとって一番笑顔を出せる材料はお互いの存在でした。
2ショットの撮影に入る前、先にソロを終えていた妹ちゃんが、「ねえ!見て!みーてーよー!」とお姉ちゃんに向かって話しかけていました。それはさっきまでママを求めて泣きそうになっていた表情ではなく、同い年の友達と遊ぶような楽しそうな表情でした。その妹ちゃんを見てお姉ちゃんも「私も遊ぶ!!待ってて!!」と大きな声でしゃべっていて。撮影中は声を発することはほとんどなかった彼女が、妹ちゃんに対しては年相応の元気な女の子の顔を見せていました。
その様子を分類室で分類していた五明さんに話すと、五明さんも撮影のイメージが決まったのだと思います、彼女たちと「元気に遊ぶ撮影プラン」が立ちました。
女の子の姉妹にしてはかなり男の子っぽい遊び方をしました。
お花でビームを撃ったり、枕を投げたり………笑
だけどそんな風に遊ぶ彼女たちはすごく楽しそうな顔をしていて。
「2人一緒にいる」という安心感が笑顔につながっているのだと思います。
この時の彼女たちの中には「緊張」という感情は一切なかったのだと、この表情が証明しています。
あまりに激しすぎて予想していない行動をすることもありましたが、きっとそれくらいが子供たちはちょうどいいのだと思います。
元気じゃない子供なんていませんから。
子供たちの笑顔を引き出すために、自分がいつもトリガーになれるとは限りません。だからこそ、「その子たちにとって何が緊張をほぐす材料となるのか」を判断し、その状況を作り出してあげることも、コーディネーターに求められることなのではないかと思います。
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