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横浜青葉店
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「あなたをイメージしてコーディネートする」

投稿日:2019/5/15

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Photo by Reiri Kuroki
Coordi & Write by Misaki Nakagawa
@lifestudio yokohama aoba


コーディネーターとして大切なこととはなんだろう。
ライフスタジオで働き始めて2年と少し。
コーディネーターとしても、カメラマンとしても撮影にはいるようになり、
両方の局面から撮影における様々なことを考えるようになりました。
カメラマンデビュー前に先輩からよく言われていたことは、
「いいコーディネーターはいいカメラマンになる」ということです。
だからライフスタジオのカメラマンは入社後、まずはコーディネーターとして修行を積みます。
コーディネーターとして被写体をより知るために、魅力的に見せるために観察していた眼は、カメラマンになった時に必ず武器になる。
重要なのは被写体となるその子自身をよく観察し、知ろうとすること。
そしてその子のための撮影をすること。
身体的な特徴、どんな体型で、どんな顔立ちなのか。
内面的な特徴、どんな性格の子で、撮影にどんなイメージを持っているのか。
もちろん1回の撮影の、たった2時間の中でその人の全てを把握することはできませんし、
たったの2時間で「この子はこういう子だ!」「私はこの子の魅力を最大限表現することができた!」なんて烏滸がましくて、私はなかなかいうことはできませんが…。
でもその子のための撮影をするために、絶えず観察し、表現しようとすること。
それがライフスタジオのコーディネーターとして大切なことである。
最近はそのように考えて撮影に入っています。

彼女は小学校の卒業記念で横浜青葉店へとやってきました。
とにかくしっかりハキハキと話す、明るい女の子。
私たちに対して丁寧な言葉で話してくれるお姉さんらしい子。
でも、変に大人ぶったりはしてなくて、私たちのくだらない話にはくすくすと肩を震わせて笑ってくれるような素直な女の子でもありました。
ちょっと照れながらも、私の目を見ながら話をしてくれる彼女のことが一目で大好きになりました。
彼女と一緒に、どんな写真を残していこう。

彼女からは「かわいい」よりも「かっこいい」のイメージであることを伝えられました。
彼女のいう「かっこいい」というイメージが男の子のようなかっこよさではないことは容易に想像がつきます。
かっこいい服がいいという女の子の中には「女の子っぽいのが嫌」という子もいます。
そういうこの場合は、スカートはNGだし、ピンクなんて絶対に着てくれません。
でも彼女はそういうタイプではないな、と会話から思います。
きっと大人っぽいイメージなのだろう、と仮定をして彼女にどんな洋服を着せようと考えていきます。
彼女と話しながら「おとなとこどもの中間地点」にいるのだ、ということを強く感じました。
丁寧に話す言葉や仕草、大人っぽいかっこいい服装への憧れは、大人に近づこうとする彼女の今の立ち位置のように感じました。
裏腹に素直な笑顔や、かわいさののこるほっぺたにこどもらしさが見て取れます。
なので、中間地点である今を残したい、そう考えました。
彼女の要望である大人っぽいかっこいい部分は取り入れつつ、
大人っぽいけど、大人ではない、そんな微妙な位置にいる彼女の今です。

ちょっと流行りっぽいアイテムを入れながら、年頃の女の子のクールな雰囲気を出そう。
(流行りに詳しいほうではないので、あくまで「っぽい)…)
個人的にポイントは大人っぽくしすぎないこと。
かっこつけすぎない、自然体のかっこよさ。
中間地点。
かっこいいのイメージではライダースジャケットや、大人っぽいというとヒールの靴を出してしまいがちだけど、
それは私の中の彼女のイメージにそれは合いません。
でもイメージに合わせてトップスは黒。
彼女はかわいらしい顔立ちをしているので、トップスに甘目の色をもってくると可愛らしい印象が強くなってしまいます。だから黒。
ラフなイメージのTシャツよりは、柔らかい素材のもの。
少し透け感のある柔らかい素材のトップスは、女性らしさを演出してくれます。
ボトムスにはデザインに特徴のある台形のスカートを選びました。
辛口なデザインのスカートはシフォン素材のトップスのイメージをキュッと締めてくれます。
足元は背伸びをしない雰囲気を出したいのでぺったんこのパンプスに、白い靴下をあわせてすこし可愛らしさを。

提案したお洋服を、彼女はとっても気に入ってくれました。
詳しいイメージを伝えたわけではありません。
ただ「私が一番気に入っている、あなたに一番着て欲しい服だった」というのは、撮影後に伝えました。


私の思う、彼女の魅力的なところ
目をまっすぐ見ながら話してくれるところ。
仕草や話し方の一つ一つがとっても丁寧なところ。
きゅっと目を細くして笑うところ。
涙袋とまんまるの大きな目。
ちょっと短めの前髪。
内面の大人っぽさとは反対の、あどけなさの残るほっぺた。


カメラマンの玲理さんには、
彼女自身が「かっこよく撮られたい」と思っていること、私が彼女の魅力的だと思う部分を伝えます。
いつも明確に「こうとってほしい」と私の考えを伝えることはしません。
ただ彼女の着る衣装が私のお気に入りの一押しコーディネートであることは伝えました。
そこからどうイメージを受け取り、撮影をするかはカメラマン次第です。
これも撮影後にカメラマンの玲理さんに聞いたことですが、
コーディネートから玲理さんが受け取った印象は「大人の女性らしさ」だったそうです。
そして、私と同じように彼女の大人っぽい部分と、あどけない可愛い部分を魅力だと思ってくれていました。

そして、玲理さんが設定したのは「鏡の前」という撮影スペースでした。
では、鏡をみながらなにをしてもらうのか。
ただ鏡を見るのではなくて、そこにいる根拠をもたせるには?
鏡をのぞきながら、身支度を整える。
私が玲理さんに伝えていた魅力的なポイントのひとつに彼女の「前髪」がありました。
撮影に合わせて自宅からちょっと巻いてきてくれた前髪。
鏡を覗く理由づけは簡単でした。
「鏡を見て、自分でちょっと前髪を直してみて」

前髪を見るために、ちょっと上目遣いに鏡を覗くことで、
彼女の可愛くて印象的な瞳も、より魅力的にとらえることができます。
そしてちょっと高めの位置からカメラを構えることでまるい頰のラインも強調されます。

かっこいいイメージでとってほしい、と考える彼女のカジュアル衣装の1カット目は、
女性らしい仕草と、彼女の持つあどけない魅力、ふたつのイメージが混ざった1枚でした。

この1枚から撮影が始まったことがとても嬉しいことでした。
私のイメージする彼女の姿はカメラマンにちゃんと届いているのかもしれない。
そんな風に感じることができました。
この1枚からの始まるこの1シーンの中で、
彼女は身支度を整え、大人のような出で立ちで出かけていきます。

この1枚にはコーディネートはほとんど写っていませんが、
私が彼女のために、彼女をイメージしながら作ったコーディネートが、
カメラマンである玲理さんのイメージにつながり、
結果的に彼女のための1枚となった、という意味で、私の中ではとても嬉しい1枚でした。
「今の彼女がいる中間地点」
こどもから、おとなへ。
そんな彼女が反映された1枚のように感じることができました。

撮影後、今回のお洋服をとっても気に入ってくれたことを彼女が教えてくれました。
私にとっても、思い出深いコーディネートと撮影となりました。
あなたのおかげで、コーディネーターとして、どう撮影に携わっていくのか。
そんなことを改めて考えるきっかけになりました。
本当にありがとう。
まだまだ未熟な私ですが、その子のことを考えるコーディネートと、撮影を、
もっともっとしていけるように頑張りたいと思います。

*saki

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