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横浜青葉店
scrollable

静を残す

投稿日:2019/6/30

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6月は1ヶ月間、「200mm」の望遠での写真主題に取り組んでいました。
おそらく私にとってはほとんど初めてとなる200mmの望遠撮影。
これまで日常で行なっていた撮影ではほとんど行なってこなかった撮影でした。
それはなぜか。
自分の中で「200mm」で1枚の写真を表現する根拠が乏しく、声も届きにくい200mmという距離感で、
自分が表現したいものというのを見つけることができていなかったためです。

今回の写真主題を受けて、改めて考えるのはまず、
望遠レンズの特性についてです。


【望遠レンズの特性】
圧縮効果が得られる、歪みが少ない、
ぼけみが強く、画角が狭いため背景の処理が容易に出来る
みる人が主体に集中しやすくなる
=写したいものをより明確に写すことができる

特性をふまえて、まず考えたのは普段はやらないくらいインテリアから被写体を遠く離して撮影をしよう、ということ。
青葉店の2階はワンフロアのとても広い空間になっていますが、
光源となる窓の近くや壁付で撮影をすることが多く、そうなるとなかなか望遠の効果を感じることが難しいためです。
200mm、ぐんとひけるだけの広さがある青葉店の2階。
季節は梅雨で外は雨でどんよりと暗いことも多くある。
だったらいっそのこと自然光ではなくて、ライトボックスを使っての撮影をしよう。
それ以外は、まだ未定。

【彼女という人】
恥ずかしがり屋さんだけど、撮られることは好きな女の子。
とにかくずっとずっと楽しそうで、嬉しそう。
私たちのおふざけに対して、終始ニヤニヤクスクス笑ってくれていました。
でもグッと距離を近づけようとすると、恥ずかしさからちょっと目をそらす。
だから、意外とカメラ目線は難しい。
私は標準レンズを持ってぐいぐい被写体と距離を詰めていく撮影をしがちな、
とにかく被写体と物理的に近くありたいカメラマンですが
着物の撮影が終わった2着目。
1着目の着物では標準レンズでぐいぐい近づいて撮っていたので、2着目は離れたところから撮影を始めてみることにしました。

表情も、1つ前のシーンでは抜けた歯も見える全開の笑顔で終わっていたため、対照的に静かな表情の写真を残そう。
望遠レンズで撮影することで必然的に私と彼女の間には距離があるため、
写真の印象としても静かで落ち着いた雰囲気の1枚を残しやすくなります。
盛り上げるため、というよりは静かな雰囲気で、
1着目の着物での可愛らしく、あどけない彼女とはまた違う表情を残すことに集中します。


【インテリア】
前述しましたが、インテリアと被写体の距離を離すことができる場所での撮影をしたいと考えていました。
が、ライフスタジオでの撮影なので、インテリアの中にいることがわかる写真でありたいとも思います。
ある程度距離をとっていても、インテリアとしての存在感がある場所、
そして彼女の着ている服ともバランスのいいエリアを考え、三角屋根のあるエリアを背景に設定します。
格子が多いエリアでもありますが、望遠レンズの使用によって背景は程よく溶けてくれているため、格子の縦横の線は気にならなくなりました。
あとは余計な情報が入らないように、画面の整理を行いながら画角を決定していきます。
望遠レンズならではの圧縮により、奥のインテリアがぐっと引き寄せられ、
彼女自身と、その対角線上にあるインテリアの屋根とでバランスを取ることができました。


【光】
ライトボックスを使用したサイド光。
一番光の強く当たる場所からグラデーション。
光の当たらない逆サイドには1枚、うすいレースを前ボケとして挟んでいるので
暗くなりすぎず、緩やかなグラデーションを作っています。


【あとは仕草とシャッタータイミング】
恥ずかしさから、少しくねくねと動きやすい子だったため、
脚立を用意し、登ってもらいました。
手に本を持ってもらったのは、なにかに集中する、
集中することによる「静かさ」を、より演出できると考えたからです。
静かさを残したいため、カメラ目線は必要ありません。
手元に集中した瞬間を狙って、シャッターを切ることにしました。
この瞬間には笑顔もカメラ目線も必要なくて、
集中することによる、静かさを残せたのではないかと思います。


今回の写真主題があり、改めて望遠レンズで撮ることの理由や、
ひとつひとつ、組み立てながら撮影をしているか、ということを考えました。
毎日ある撮影の中で、「この場所だからこう撮る」と安直に撮影をしていないだろうか。
とりあえず望遠で撮ろうとレンズの特性を考えずに撮っていないだろうか。
そんなことを考えるきっかけになったのではないかと思います。
まだまだ完璧ではありませんが、今回の主題でえた感覚や考えを活かしながら、今後も撮影をしていきたいと思います。

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