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横浜青葉店
scrollable

写真分析「緊張」

投稿日:2019/8/30

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Photo&Write by Misaki Nakagawa 

Cordi by Kaori Kobayashi

七五三の撮影では、被写体の緊張を感じることが多くあります。
着慣れない着物を着て、重たい帯をつけて、
ドキドキしながらヘアセットとメイクしてもらって…。
7歳の女の子であればそれに加えて、
「可愛く撮られなければ」という使命のような、高揚感のような、
なんとも言えない緊張感があるのかもしれません。
ドキドキする。
でも、可愛く撮られたい。
着物が苦しくて、早く脱いでしまいたい。
でも、可愛く撮られたい。
そんな葛藤のような感情を感じることも少なくはないのが、七五三の撮影のようなきがします。

この7歳の女の子も、とても緊張をしていました。
普段は元気でお話好きだという彼女ですが、着付けが終わると、その表情にはわかりやすい「緊張」の2文字を見て取ることができました。
私たちや、パパママ、陽気なお兄ちゃんが、その気持ちをほぐそうといろいろ話しかけるけれど、
やはりなかなかなに、その緊張が身を離れることはありません。
ですが、緊張しつつも私たちのだすポーズの指示にはしっかりと応えてくれていました。
写真を撮られるが嫌いなわけでも、恥ずかしいわけでもないのです。
数カット、カメラ目線のポージングをお願いしてから、私も少し撮り方を切り替えることにしました。
「可愛く撮られたい」という欲求が緊張を生むのなら、
少しでもカメラを意識しなくて済むような撮影をすることが、
彼女の緊張を解きほぐすための一手なんじゃないだろうか。
カメラを意識して緊張をするのなら、カメラの見えないところにいてもらおう。

青葉店の玄関前のこの場所は、この1ヶ月、何度も撮影に挑んでいた場所でした。
この場所で撮る時の課題の一つに、
手前にあるはしごのインテリアをどう写すのかという課題がありました。
はしごを真横からとらえる画角のため、この線は何なのか?という疑問の残る写真になりやすいためです。
この1枚でははしごの線を写真の中央に対角線にもってくることで、
被写体のいる側と、いない前ボケとなる棚のインテリアのバランスをとりました。
画面を柱の線によって2分割にすることで、画面全体の整理をします。

左側にある本棚はそのままだと存在の主張が強く、目線が散る原因となってしまうため、
被写体となる彼女にちゃんと目線が行くように白いレースで目隠しをします。
それだけだと、画面全体に白い部分が目立ってしまうため、ほんの少しだけ前ボケとしてオレンジ色の紅葉を入れて色味をプラスしました。

この場所では先輩であるかおちゃんが見本となる写真を撮ってくれていて、
その写真をイメージしながら、この彼女だったらどう撮るべきか、というのを考えます。
緊張をほぐすための1カットなので、もちろんカメラは見えないように。
私に背を向けて立ってもらい、華やかな帯の後ろ姿に設定します。
私は離れられるギリギリの位置まで離れて、カメラを構えて、
あとはほんの少しだけ彼女の力が抜けるタイミングを待って、シャッターを切りました。

着物の撮影で緊張しつつも一生懸命頑張ってくれていた彼女は、
この後緊張から解放され、たくさんの笑顔を見せてくれました。
緊張から解き放たれた笑顔もそうですが、
七五三ならではの緊張感が伝わってくる写真も、しっかりと残したいなと思っています。
ドキドキしたよね。
苦しかったよね。
でも頑張ってくれてありがとう。

 

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