Photogenic


青山店
scrollable

投稿日:2017/10/1

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Photo by Tanaka
Coordi by AMEMIYA

鏡を使わなければいけない状況が、この撮影にはありました。今回は、そんな鏡に纏わる話しをしたいと思います。
 
赤ちゃんの撮影において、何が大変かというと被写体のコンディションだと先ず言えるでしょう。大人の撮影などでは、おおよそ気にする事の無い事柄ですが、赤ちゃんの撮影においては、撮影を左右する重要事項となります。赤ちゃんにとって世界は、自分と自分を庇護してくれる存在としてママが居ます。その二つの関係から外れた第三者の存在は、どの様に写るのかは明白でしょう。
 
今回の撮影で最も感じた事は、やはり母の力は大きいなって事です。何故そう感じたかをここで少しだけお話しします。
 
昼過ぎくらいに来店された小さな赤ちゃんは、少し人見知りも入りつつある月齢と共に、眠くなる時間帯に差し掛かり、被写体のコンディションが落ちやすくなりやすい状況でした。撮影ではご家族の協力も沢山頂き、皆んなで有らゆる手段を試しましたが、一向にコンディションが回復する手立てが見つからない撮影に対して、全員がほとほと困りかけていた時に、ママの「そう言えば、この子鏡好きかも」と言う一言に藁にもすがる思いで、鏡を赤ちゃんの前に差し出してみました。
 
最初はとても警戒していた赤ちゃんですが、鏡の中に写るモノが、ママと自身だけしか存在しないと分かると、それまでママの膝から決して離れる事を拒んでいた赤ちゃんが、ママの膝を降りて鏡越しにママと楽しそうに触れ合い始めました。私たちはその様子を伺い、なるべく離れたところからもその二人の空間を維持するべく、敢えて言葉を発する事を止めて、この空間の流れに身を委ね、二人を見守ることにしました。
 
この撮影で、鏡というアイテムは普段24時間赤ちゃんと接しているママの観察眼だからこそ発見出来た物だと思います。また、鏡の世界と言う他者が一切入り込めない空間が、赤ちゃんにとって心を落ち着ける場所となったからなのだと考えます。被写体にとって、もっとも輝ける空間をつくるという事を日々考えていますが、たった一枚の鏡でも、その被写体やその家族にとって輝ける空間にするための大切なアイテムなのだとこの撮影で実際に実感しました。
 
普段何気なく使用しているスタジオには、被写体の魅力を最大限に引き出してくれるアイテムが沢山あります。それらのアイテムをどのように使うかによって、モノの価値を違うものへと変化させるのだと思いました。また、隔たりがあった被写体と撮影者を繋ぐという役割も秘めたアイテムは、撮影において簡単に考えてはいけない存在だと感じます。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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