Staff BlogYokohama Aoba

Reiri Kuroki
横浜青葉店

黒木玲理

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こんにちは。

黒木玲理です。

ライフスタジオ9年目、2020年現在は横浜青葉店や新横浜店に在籍しています!

【あなたのための、あなたの写真】を自分の中のテーマに置いて、撮影をさせていただいてます。
blogでは、そういう想いを込めたメッセージや写真の分析をUpしています。

お気軽にのぞいてみてくださいね。

写真分析 / Babyhood,

2020/3/18

201 0

 

 

 

Photo by volvo

Coordi by Curnew & Sheena + Reiri

Write by Reiri

 

@Tokorozawa

 

 

撮影の瞬間は、本当にわずかな空白、でした。

 

大盛り上がりの撮影で、よく笑ってくれるハーフバースデーのBaby。

コーディネーターふたりの畳み掛けるようないないいないばあに、ケラケラと笑っていたBabyの前に、カメラマンのvolvoさんがぐいと寄った瞬間。

目の前に迫った大きな黒いカメラのレンズは、彼の目にどう映ったのでしょう。

不思議そうに小さな手を伸ばす、その瞬間が良くて、笑わそうとしてくれたコーディネーターをちょっとだけ、制してしまいました。

 

この瞬間は、

彼が私たちの干渉を受けて笑っている、その笑顔ではなくて、

彼の中から自発的に沸き起こった好奇心によってカメラに伸びた小さな手と、不思議そうなその眼差しに『彼らしさ』があって、

そして、それまではコーディネーターを介して撮影を進めていたvolvoさんと、被写体である彼自身が直接触れ合うような、ほんの一瞬だったのです。

 

 

全ての撮影は、観察から始まります。

特に、Babyの撮影の場合は、その反応をよくよく見ていかなければなりません。

Babyは言葉を話せないし、視力も決して良くはない。

彼らにとっては、この世界の何もかもがよくワカラナイ。だってまだ、お腹の中にいた期間の方が長いくらいだし。

でもその分、感覚は敏感だし、反応は素直です。

Baby撮影に於いては、彼らの感覚を刺激するアプローチが必須です。近くで顔を見せる、触る、くすぐってみる、変な音を出してみる、etc。

全てに対して無反応な子もいれば、ちょっとニコッとしてくれる子もいます。私たちがやってダメでも、ママさんが同じことをやるとよく笑う場合もあります。

刺激してみて、小さな反応を見逃さないように観察して、笑いそうなところには畳み掛けてみて、嫌がることはすぐやめて。

そんな繰り返しで、試行錯誤しながら、Babyの撮影は進みます。

 

幸いにも彼は、2歳のお兄ちゃんに鍛えられているのか(笑)比較的しっかりした反応を返してくれるBabyで、カーニューのパワフルないないいないばあと大きめのアクションが大ヒットしていました。

撮影は滞りなく進み、途中からはシーナちゃんも参加してのコーディネーター3名体制にさえ怯むことなく、ニコニコしてくれるBaby。

賑やかで楽しい撮影。そんな空気感の中で、カメラマンであるvolvoさんが動きます。

「よーし、カーニュー行ってみようか」「シーナもやっちゃって〜〜」と、コーディネーターへの指示を出しながら、その刺激的なふたりのアクションから生まれるBabyの反応を捉えていたvolvoさんが、自らBabyとの距離を詰めました。

前述の通り、意外と生後6ヶ月くらいのBabyの視界は不明瞭なものです。それを踏まえて、ピントも合わないくらい近くまで、カメラのレンズを迫らせます。

目の前の、レンズの不思議な輝きをBabyが認識した、その瞬間に、volvoさんはわずかにカメラを引き戻しました。その動きに誘われるように、Babyの小さな手がレンズに伸びてゆきます。

その時私は、何かしなきゃと身構えたカーニューやシーナちゃんに

「ちょっと待って」と小さく声を掛けました。

volvoさんがシャッターを切る、その瞬間まで、そこに介入は不要と判断したから、です。

 

笑わせてあげること、は、コーディネーターの大切な仕事です。

しかし、被写体であるその子自身から発せられるものも、大切にしなければならないと思っています。

例えばそれは、何かを訴える為に泣くことであるとか、もぞもぞ体を動かしながらころんと転がってしまう動きだとか、うつ伏せに耐えきれなくて顔をくしゃくしゃにしてちょっと怒ってる感じだとか、そういうもの。

目の前の、正体不明なものへの好奇心から自ら手を伸ばして触ろうとする、それはBabyにとっての小さな冒険でさえあります。その冒険は、好奇心は、ひとりの『ひと』としての成長の側面でもあって、写真に残すべき価値のある瞬間だと思うのです。

誘発させたのは、カメラマンであるvolvoさんの動き。それを受けて、その先の展開を予測して、被写体の反応を待つ、その数秒で撮られた写真。

 

その後、彼はまたカーニューやシーナちゃんの刺激をたっぷり受けて、結局最後までニコニコ笑って撮影を終えたのでした。

 

 

 

賑やかで、とても楽しい撮影で、だからこそほんの一瞬の空白と、その瞬間のこの写真が、印象的でした。

Babyのニュートラルな状態から発生する、好奇心を動機とした仕草と表情。好奇心を刺激する間接的な誘導は、多分カメラマンの計算の上でしょう。

笑っている瞬間は勿論必要で、笑顔の写真は素敵だけれど、そんな中でも何気ない一瞬を印象的に記録することが、Babyの撮影では大切だと思っています。

ともすれば『可愛い』だけで突っ走ってしまえそうな撮影で、ほんの少しのブレイクを敢えて挟み込むことで、印象的な写真が生まれます。

 

 

ひとの撮影を見て、感じて、こうして書いてみることも、たまには必要。

(感情的分析に振り過ぎてる気もしますが) 

 

所沢店での撮影のひとコマ、でした。

 

 

 

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