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『 アシタハ晴レル 』

投稿日:2022/8/21     更新日:2022/8/21

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photo : Masashi Kuroki|coordi : Izumi Saito

No.24 Life studio Shonan

 

 

私の「夢」はミュージシャン、映画のカメラマンだった。

 

その理由の一つとしては、いわゆる男の子にありがちではあるが「機械」の存在。

その機械にあたるギターやカメラは幼い頃からの憧れであった。

その機械を持つ事は武士が刀を持つ事と同様強くなれる気がしていた。

高校の時に買ったギター、そして就職して初任給で買ったフィルムカメラ。

それらの刀が私に自信を与えてくれた。

今、そんな刀を握って毎日写真を撮らせてもらっているという事はほぼほぼ夢が叶っていると言っても良いかもしれない。

 

その毎日撮らせてもらっている写真。

写真にも様々なジャンルがあるが私たちが撮っているのは家族であり「」。

良い写真を撮れるようになるために、その刀をしっかりと使いこなせるようになるために、色々な知識を頭に入れ今も尚入れ続けている。

しかしながら、「人」を撮る上で得るべきものは刀への知識だけでは勿論ない。

むしろ刀を使いこなせるようになってからが本当に深く永いことであると日々感じている。

その深く永いことと言うのは当然「人」への知識。

知識というか経験というか、要は十人十色の「人」とどれだけ多く繋がれるかという経験値。

その経験値を積み重ねることが今の仕事と言ってもいいかもしれない。

 

その「人」の写真を撮る中で私が最も好んで熱くなれるもの、それは家族写真や兄弟写真である。

なぜ、それらなのか?どこに魅力があるのか?

その魅力の一つとしてはその写真を残すためには第三者の存在が必要という必要性。

家族や兄弟間で撮り合うことでは残せない写真がある。

その写真を残すために必要な第三者がカメラマンであり、それが私たちである。

もう一つの魅力としては写真に写る人たちの個性や性格、生き様なんかを一枚に集約することが出来るという事。

だから、教科書には載っていないことを毎日勉強しなければならない。

 

 

まだカメラマンが「夢」だった頃、私は写真を観るのも撮るのも好きだった。

でも、その夢が現実となった時に気づいたことは、私はカメラが好きだったという以前に「人」が好きだったのだという事。

知り合いでもなく、自分の子どもでもない、でもその写真を目にすると誰もが楽しくなれる、

そんな写真をこれからも一枚でも多く残していければと思っています。

 

 

着物を纏った彼らの写真。

この写真になるまでの流れはよく覚えてはいないがこの日この瞬間、確実に彼らと人として繋がれたという実感があった。

彼らを見ていたらこんな言葉が頭に浮かんだ。

「アシタハ晴レル」

 

いや、もうとっくに晴れているから「アシタモ晴レル」だな。

 

 

 

Written by Masashi Kuroki   Shonan

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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